エピソード1 ページ36
アヤノ「場所が蛍が村って分かってからですよね。だけどフブキ隊員、蛍が好きって感じじゃないし…」
アヤノの疑問にヒウラは答える事なく、ただ笑うだけだった
ドイガキ「あの2人ってまさに水と油の関係だよね。『ハルノムサシ』と『フブキケイスケ』。ムサシは春で、フブキは冬ってイメージだもんな」
シノブ「春と冬か…」
ヒウラ「というよりフブキは風だな。2人合わせて『春風コンビ』ってところか」
3人「春風コンビ?」
ヒウラ「うん、いいじゃないか春風コンビ。これでいこう!」
そう言ってヒウラは嬉しそうに立ち上がり、去っていった。こうして本人達の知らないところでムサシとフブキは『春風コンビ』なるものが結成されてしまった。……ただ1人を除いて
ムサシ「ハクション!ハクション!」
フブキ「何だよ、カゼか?うつすなよ」
ムサシ「あ、いえ。なんか鼻がムズムズして…。ってミク、なんで笑ってるの?」
ミク「クッ…フフッ……(笑)」
実はミクは自分のスペースに他の人が勝手にいじってないか、後で調べる為に盗聴機が付いている
そして、暇になったので司令室の様子を聞いていたら先程の『春風コンビ』の話が聞こえてきて、それがツボにはまったのだ
ミク「なっ、何でもない……よ(笑)それより、フブキ隊員は…蛍が村と何かご関係が?」
フブキ「……。別に」
そしてシェパードは蛍が村に到着し、3人は車から降りて周囲を見渡す
ムサシ「ここですね、被害にあわれた方の家は。じゃあ僕、話を聞いてきます」
ミク「私は……妙なエネルギー反応がないか、調べてきます」
兄妹がそれぞれの仕事に向かうと、フブキは蛍が村の中を歩き始める。そしてある程度歩くと、田んぼにあるかかしを見つける
フブキ「まだあったのか…」
そう呟いてフブキはポケットから一枚の写真を取り出す。そこには、小さかった頃のフブキと目の前にあるかかしと同じ物が写っていた
実はフブキは子供の頃、体が弱く、療養の為にこの蛍が村でしばらく過ごした事があったのだ。村民達はフブキに優しくしてくれて、そのおかげでフブキは強くなった。その事を思い出してフブキは微笑むが……
ムサシ「何ニヤけてるんですか?フブキさん」
フブキ「っ!!は?ニヤけてなんかいない。失礼だな!」
いつの間にか戻ってきたムサシに微笑みを見られて慌てて写真を隠すフブキ
ムサシ「そんな怒んなくたって…」
ミク「そうだよ兄さん。今のは『ニヤけてる』じゃなくて『微笑んでる』っていうの」
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