6話 ページ6
「何でお前が悪いヤツなんだよ」
すると俯きながらAはおずおずと答えた。
「だってよく、アイツに「言うことも聞けねぇ悪いヤツだな」って、言われてたから...」
猿門は少し考えた後、ゆっくりと答える。
「いいか、お前のいうアイツが悪いヤツだ。
お前を沢山痛くしただろうし、雑な扱いも受けてきただろう
悪いヤツの言う゛悪いヤツ゛なんて信じなくていいぞ
それにお前はアイスの良い所が分かる超絶良いヤツだ！」
また猿門がニカッと笑った。
Aは「そっか」とだけ言って嬉しそうに足をパタパタして時間を潰していた。
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＿
ガチャ
「あぁ猿門居たのか」
いったい何mあるのだろうというくらいのとても大柄な男が入ってきた。
猿門と親しげに話すが、Aは無表情と大柄故の威圧感に気圧され急いで猿門の後ろに隠れた。
「！...猿門、この娘は」
こちらに気付いた男がAに目をやると、猿門が今までのいきさつを話した。
「んで今身元確認中だけど、そーとー酷い目にあってきたみたいだし暫く預かるんだけど...看守長はそのまま引き取るつもりでいるらしいんだ...」
「そうか...」と一言返すと巨体を屈めるようにしゃがみ、目線を合わせる。
「俺は悟空 猿鬼だ。」
「...えんき、さん？」
Aは猿門の脚の後ろから顔を半分出して様子を伺うように恐る恐る名前を呼んでみた。
すると猿鬼は薄く笑みを浮かべたと思うと、ぽん、とAの顔より大きな手を怯えるAの頭に乗せた。
「俺は子供の扱いは分からないし、見た目から怖がらせることもあるだろうが...よろしくな」
暫くここにいるんだろう、と残して、仕事があるのだろうか用を済ませて看守室をすぐに出ていってしまった。
「さもんさん...」
ふと猿門がAに目をやるとぷるぷると足元で俯いて震えていた。
(やべ、怖がらせたか...！？)
「お、おいA...大丈夫...」
するとAはパッと顔を上げて
「えんきさんカッコいい！
大きくて強そうなのに、とっても優しかった...
ここの人たち、アイツみたいに痛くする人じゃないし、とっても良いところだね」
「...そうだろ！俺の兄貴は主任で、偉くて強くてカッコいいんだ！」
猿門が鼻高々と大きな声で言う。
「...なあA、お前がここで過ごすにあたって教えておきたいことがある」
落ち着いた声で再度Aの前に屈むと、Aの小さな手を包んで安心させるようにゆっくりと話す。
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みか(プロフ) - はじめまして！作品読ませて頂きました！続き楽しみにしてます！ (2022年7月31日 20時) (
レス) id: 38ff0084b8 (このIDを非表示/違反報告)
SS YT(プロフ) - 星猫さん» めちゃめちゃに嬉しいお申し出なのですが…私今の時期受験期でしてあまりこちらに時間を割けないのです…この作品は書き溜めてあったものを毎日夜この時間帯に公開しにきているだけなのです。とても嬉しかったです。もしよろしければですが、また春頃お声かけください。 (2021年2月5日 23時) (レス) id: 876e5ee057 (このIDを非表示/違反報告)
星猫 - 一緒に合作しませんか？ (2021年2月5日 20時) (レス) id: e8084d140d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：SS YT | 作成日時：2019年9月18日 23時
