かっこいいよ【ディーノ】-2-終 ページ2
「ディーノ！！」
しかしディーノは一人で現れたようだった
周りにも部下たちの気配は見当たらない
(部下たちの前じゃないと…どうしよう！)
そんなことを思ってディーノを見つめると、私の惨状を初めてしっかりと見たのか心なしか表情に怒りが湧いて見える
「俺の大事な女に手ぇ出しておいて…お前ら無事に帰れると思うなよ」
「ひっ」
ディーノが鞭を一振りすると、相手の足を絡めさせ次々と床に伏せさせる
「ディーノ…部下がいないのに…！」
「惚れた女の前でくらいかっこつけさせろよ」
私を守るように前に立ち臨戦態勢をとると、後から続いてディーノの部下達もやってきた
「ロマーリオさん！みんな！」
「形勢逆転、だな
二度と俺達に手を出させねえようにしてやるからな」
ぎっと相手を睨むディーノの顔は普段の温厚な彼とは違ってかなり怖かったが、私を守るためなのだと思うとその険しい横顔がとてもかっこよく見えた
＿＿＿しばらくすると戦いが終わったのか襲いかかる敵も来なくなりると、ディーノが手足の拘束を解いていつも着ているシトロングリーンの上着を私に被せる
「誰もAの方見んなよ！！」
「誰もボスの女に手なんか出しませんし出せませんよって」
急いで上着の前を閉める
膝丈のワンピースのようになってしまったディーノの上着は、身長差を改めて感じた
(それに素肌の上に着てるからなんか…匂いとか、ディーノに包まれてるみたいな…)
そこまで考えたところで顔が熱を帯びるのを感じたので頭を振って考えることをやめた
「っ、ていうかディーノ！
部下もいないのに一人で…みんなが来るまでよくドジしなかったけど…
…心配したでしょ」
するとディーノはぽん、と私の頭に手を乗せた
「言ったろ、惚れた女の前でくらいかっこつけさせろって
…それに心配したのはこっちだぞ！なんもされてないよな！？」
「あ…うん、服脱がされて押さえつけられただけ
手は出されてないよ」
「それは何かされたって言うんだよ…よし」
「ひゃっ！？」
いわゆるお姫様抱っこだ
「ちょっと…みんなの前でっ！」
「ふはっ、顔真っ赤だな」
むむむ…と何も言えずにいると、ぎゅっと私を抱く手に力が入る
「もう二度と、こんな目に合わせたりなんかしないからな」
「…ねえ、ディーノ」
彼の首に回した腕に力を入れて耳元で囁く
「わざわざかっこつけなくても、私の中ではディーノが一番かっこいいよ」
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作者名：SS YT | 作成日時：2021年8月14日 1時
