かっこいいよ【ディーノ】 ページ1
キャバッローネファミリー
それが私の恋人である彼の統治するマフィアの名だ
何が原因かは分からないが、突然敵対していたマフィア達との戦いの火蓋が切って落とされたらしい
そんな抗争に巻き込まれてしまい、現在私は人質として敵のマフィアとやらに誘拐され巻き込まれてしまったところである
一般人の私を巻き込む程落ちぶれたファミリーなのだろう
きっとすぐに彼が助けてくれる…
しかしなかなかに長引いているのか助けが訪れる気配は今のところ全くない
(大丈夫、ディーノならきっと…ううん、絶対助けに来てくれるんだから)
いくら一般人を巻き込むろくでもないマフィアでも、一応は長年キャバッローネと対立してきたからか規模はそこそこの大きさがあるのだろう
「泣も喚きもしない…
本当にただの一般人じゃあなさそうだな」
「タレコミによればアイツ、向こうのボスの愛人だとか」
「…ほう?
あの跳ね馬野郎の愛人、ね」
反論したいがさるつぐわを噛まされていて何も言うことができないことに憤りを感じる
ぐっ…と歯を食いしばって耐える他になかった
「…反抗的な目だな
人質の分際で…っと、下手に危害を加えて殺しちまっちゃ人質として機能しねーわな」
こちらに伸びかけた手が止まった
顔に出さないよう心の内でこっそり安堵する
(流石に大きな規模のマフィアだとやっぱり多少は頭を使えるのもいるみたいね)
「だが」
「っ!?」
踵を返したかと思いきや再び手を伸ばし私の襟口に手をかけた
「こういうコトは、しちゃいけねぇなんて言われてねえよな」
強く掴まれた反動で襟口近くのボタンの糸がいくつかちぎれた
前に縛られている手を上に押し上げられ、上に覆い被さってくる
その時噛まされられていたさるつぐわが外れた
「んむっ…っは、触らないで!!」
するっとシャツの間に手を滑らしてくる手と下卑た考えに悪寒がする
身体中の血の気がさっと引いていくのがわかった
しばらく抵抗し身をよじるが手を止めることはできず、ついに服が乱れほとんど下着姿にされたところで恐怖が襲ってきた
もうダメかもしれない…
(ディーノ___!)
恐怖からぎゅっと目を瞑ったその時、扉の内側からでも聞こえるほどの爆発音が聞こえた
「なっ!なんだ!?」
「まさかもうここまで…!」
音と振動はどんどん近づいてきている
「クソ!こうなったら人質の女連れて俺達だけでもズラか…」
「逃すかよ」
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作者名:SS YT | 作成日時:2021年8月14日 1時