後日談 第一話 ページ39
夏休みも過ぎて、今は一月一日、元旦だ。
今日は絵里と初詣に行く約束をしている。夏休みの一件以来、多くの人間からからかわれたものの、それなりに幸せなスクールライフを送れている。
ppppppppp!!! 目覚まし時計の音が鳴る。時刻は五時だ。
A「朝...か...」
夏休みが終わり、姉貴も大学へ戻ったため、また一人暮らし生活だ。
騒がしい人間もいなくなり、実に快適な生活を送れている。
元旦に家族がいないと、おせちを作る手間が省けるので助かる。
この時期は中々起きるのが辛いが、ずっと寝ているわけにも行かないので、居間に向かった。
A「...？居間の電気点いてる...？」
障子を開け、居間に入る。そこには
葵「あっけおめー」
父「あけましておめでとう」
母「今年もよろしく」
A「全員不法侵入で通報します」
最悪だ。新年早々不幸だ。最早おみくじなんて引く必要がない。絶対凶が出るからだ。
母「あらあら、A君ったら久しぶりにお母さんに会えて寂しいのね」
ぶっとばすぞ
A「...何故いる」
葵「ちゃんとメール送ったじゃない」
母「そうよ。ちゃんと連絡はしたわ」
そんなもの来た覚えはないが、一応パソコンのメール受信欄を見てみる。
A「げ、マジだ...っておい！送ったの一時間前じゃねえか！寝てるわ！死ね！」
葵「起きてないアンタが悪い」
母「そうよそうよ。学生なら四時に起きるのが当たり前よ」
この二人を相手にするとエネルギーがガンガン減るからもう何も言わずにこたつの中に入った。
父「済まないね。突然来て」
A「...別にいいよ。俺だけの家じゃないしな。ところで、おせちの用意なんてしてないけどいいのか？」
母「あら、それなら大丈夫よ。私が作ってるから」
A「えっ」
チラリと姉貴と親父を見る。
A(何で止めなかったんだよ。命日が一月一日とか嫌なんだけど)
葵(いや、だって...ねえ？)
父(逆らったら殺されるという感じだったね)
何を隠そうお袋は”超”料理下手なのである。いや、最早下手とかそういうレベルじゃない。こいつ料理に錬金術でも使ってんじゃないかと疑うほど下手だ。以前は人参一本から鉄鉱石を精製しているのを見た。
三人で対策会議を開いていると、台所から母親が訊いてきた。
母「Aくーん お雑煮にセミの抜け殻って入るー？」
A「お雑煮にはジャイアンシチューじゃないよー」
もう終わった。新年早々我が蓮藤家から死人が三人出ることが決まった。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 78人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
Cloc(プロフ) - うす笑 (2014年10月10日 18時) (
レス) id: dbf5e5e9a4 (このIDを非表示/違反報告)
2103Satoshi(プロフ) - 最高すぐる (2014年7月15日 14時) (レス) id: f36ecadc16 (このIDを非表示/違反報告)
ピロ(プロフ) - すごくよかったです。ただギャグパートが面白すぎて電車内で笑っちゃったじゃないですか(笑)どうしてくれるんですかｗ (2014年5月22日 15時) (レス) id: 05faecfc48 (このIDを非表示/違反報告)
風吹けば名無し - ラブノベルス…本編よりサイドストーリーってか (2014年3月28日 0時) (レス) id: 2ee14e55a5 (このIDを非表示/違反報告)
虎竜(プロフ) - 更新お疲れ様です！いつも楽しみに待っています！頑張ってください！ (2014年1月28日 1時) (レス) id: 757843876f (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：さとう | 作成日時：2014年1月19日 11時
