ep31 姉貴 ページ31
ガラガラと家のドアを開ける。
一刻も早く眠りたい気分だった。
葵「おか.......なんかあったわね」
家に入ると姉貴が言ってきた。余程ひどい顔をしていたのだろうか。一瞬で悟られた。
葵「とりあえず居間に来なさい」
眠りたかったが、返事をする気力もなかったので素直に居間へ向かった。
葵「...まあ、その様子だと振られたのかしら」
A「...逆だ」
葵「え?」
A「...振った」
葵「それはまた...けど、どうしてそんな今にも泣きそうな顔してんのよ。誰か振る度にそんな顔する性格でもないでしょうに」
姉貴がお茶を啜りながら言う。
葵「もしかして、本当はその子のこと好きだけど、自分は海外進学していずれ離れ離れになるから振った、とか?」
A「...」
葵「図星ね。はあ...あのさ、アンタいつからそんな偉くなったの?」
A「...?」
葵「何でアンタがその相手に自分の本心も伝えずに振る権利があるのよ。おかしいでしょ」
A「...あのな、権利とかじゃなくて」
葵「それとも、今まで”恋愛はしない”って散々言ってきた自分を否定するような真似をするのが嫌だった?なんでアンタの事情に相手を巻き込んでるのよ。馬鹿じゃないの?」
A「...っ」
少し間を開けて、姉貴が口を開いた。
葵「...絢瀬絵里」
A「なっ!?」
思わず立ち上がる。何故こいつからその名前が出てくるのか、全く理解できなかった。
葵「アンタの幼馴染の名前よ」
A「絵里...が...?」
その瞬間、頭の中で全てが繋がった。
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Cloc(プロフ) - うす笑 (2014年10月10日 18時) (レス) id: dbf5e5e9a4 (このIDを非表示/違反報告)
2103Satoshi(プロフ) - 最高すぐる (2014年7月15日 14時) (レス) id: f36ecadc16 (このIDを非表示/違反報告)
ピロ(プロフ) - すごくよかったです。ただギャグパートが面白すぎて電車内で笑っちゃったじゃないですか(笑)どうしてくれるんですかw (2014年5月22日 15時) (レス) id: 05faecfc48 (このIDを非表示/違反報告)
風吹けば名無し - ラブノベルス…本編よりサイドストーリーってか (2014年3月28日 0時) (レス) id: 2ee14e55a5 (このIDを非表示/違反報告)
虎竜(プロフ) - 更新お疲れ様です!いつも楽しみに待っています!頑張ってください! (2014年1月28日 1時) (レス) id: 757843876f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:さとう | 作成日時:2014年1月19日 11時