番外編5 RE:START ページ26
絵里「聞いたわよ、代表選手に選ばれたんですってね」
生徒会室に行くと、開口一番に絵里が言ってきた。
A「まあな」
そういえば絵里も相当足が速かったはずだ。当然代表選手なのだろう。
絵里「その...大丈夫なの?」
トラウマのことを言っているのだろう。
絵里「私としては、大切な仲間であるあなたが傷つくのは見たくないわ。あなたのことだから、どうせ断らなかったんでしょう。
けど、体裁なんて気にする必要ないわ。もし駄目だったら───」
A「大丈夫。大丈夫だから」
その先は聞きたくなくて、反射的に絵里の言葉を遮った。
A「俺がトラウマ如きに屈するはずがない。あんなの要は気持ちの問題だろ。楽勝だって」
強がって笑顔を作る。そんな俺の気持ちを察したのか、絵里はそれ以上何も言ってこなかった。
それから、結局何もできないまま体育祭二日前まで迫ってきた。
A「ああああああああ...めんどくせえええ...」
家に帰って倒れるようにして床に寝っころがる。最近は溜め息がよく出る。
A「もう当日バックれようかな」
冗談めかして口に出す。そんなことをすれば確実に俺の評価は下がるだろう。
しかし、当日になって「やっぱ走れせーん。ごめんね皆てへぺろ」なんて言ってみろ。その瞬間クラス中から磔火炙りの刑に処せ!と叫ばれるだろう。
こういった行事はクラス全員が一丸になりすぎる傾向がある。
そのため一人が失敗した途端、全員で袋叩きにする。ある意味質の悪い宗教と言える。
A「しかしこのままじゃ...」
本格的にヤバくなって来た。
その時、携帯に着信が入った。
電話をかけてきたのは、穂乃果だった。
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愛生ちゃん(プロフ) - 面白かったよ! (2014年12月22日 1時) (レス) id: 849c961f1d (このIDを非表示/違反報告)
くらげ(プロフ) - 何故有名にならないのか分からない程の名作でした。私の尊敬する作者様です。どうか、これからも頑張って下さい。 (2014年4月29日 22時) (レス) id: d6c4a99353 (このIDを非表示/違反報告)
すぐるん(プロフ) - 2きが始まるのでそれの、小説もお願いします。 (2014年3月31日 14時) (レス) id: b478e35ba9 (このIDを非表示/違反報告)
すぐるん(プロフ) - 2きが始まるのでそれの、小説もお願いします。 (2014年3月31日 14時) (レス) id: b478e35ba9 (このIDを非表示/違反報告)
虎竜(プロフ) - めっちゃ良い話でした! (2014年1月26日 11時) (レス) id: 757843876f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:さとう | 作成日時:2014年1月15日 2時