番外編４ RE:START ページ25
土曜の朝、学校のトラックに立つ。
A「ふぅー...」
深呼吸をする。何故かその時のおれにはこの100mを走るビジョンが見えていた。μ'sを間近で見ていて少しは変われたということだろうか。
だが、スターティングブロックに片足をかけた瞬間、強い目眩と吐き気に襲われ、すぐさまトラックから出た。
A「無理無理無理無理」
里志「やっぱダメじゃねーか...」
そもそも「やろう」と思ってトラウマが改善されるなら、世の中の人間はトラウマなんてものは患わなかっただろう。
A「大体何が”スタートラインに立つ”だよ。かっこつけすぎだろ中二病か」
里志「この後に及んでなんなんだお前は」
A「だってさー あの状況で断るなんてどう考えても無理だろ」
里志「背に腹は変えられないだろ。やろうとして後からダメでしたーなんてのが一番かっこ悪いわ」
里志にしては正論を言う。
A「体裁を気にしすぎたな...」
凛「あれ？A君？」
声がしたので、振り返ってみると凛がいた。
A「凛？なんでお前いるんだ？」
凛「凛も体育祭で走るからだにゃー A君もここにいるってことは体育祭で走るんでしょ？」
ああ、そういえば体育祭練習期間中はレースに出場する選手はトラックを使えるんだった。辺りにもちらほら人がいた。
凛「じゃあ凛と一緒に競争するにゃー！」
A「あー...えと、すまん。今絶賛トラウマ克服中でな」
凛「あ...ごめん...」
まずいことを言ってしまったというような顔をする。
A「いや、大丈夫だよ。それより練習するんだろ？俺に構わず走ってこいよ」
凛「う、うん。ごめんね。じゃあね！」
気まずそうに凛は走り去って行った。
里志「あの子って確か陸上経験あるよな。中学の時からお前のこと知ってるんじゃね？」
A「多分な。まあそれだけに気まずいというかなんというか。
さてと、どうしたもんかね本当」
前を向き、一直線のレーンを見る。
これほど100mを長く感じたことなんてあっただろうか。
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愛生ちゃん(プロフ) - 面白かったよ！ (2014年12月22日 1時) (
レス) id: 849c961f1d (このIDを非表示/違反報告)
くらげ(プロフ) - 何故有名にならないのか分からない程の名作でした。私の尊敬する作者様です。どうか、これからも頑張って下さい。 (2014年4月29日 22時) (レス) id: d6c4a99353 (このIDを非表示/違反報告)
すぐるん(プロフ) - 2きが始まるのでそれの、小説もお願いします。 (2014年3月31日 14時) (レス) id: b478e35ba9 (このIDを非表示/違反報告)
すぐるん(プロフ) - 2きが始まるのでそれの、小説もお願いします。 (2014年3月31日 14時) (レス) id: b478e35ba9 (このIDを非表示/違反報告)
虎竜(プロフ) - めっちゃ良い話でした！ (2014年1月26日 11時) (レス) id: 757843876f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：さとう | 作成日時：2014年1月15日 2時
