『ラブライブ！』小説 (ページ19)

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第18話ページ19

音楽室に近づくと、歌声が聞こえてきた。

音楽室にはピアノを弾けながら歌う西木野真姫が居た。
なるほど、確かにうまい。
音楽について全く知識がない俺でもわかるぐらい見事な歌声だ。
しばらくして演奏が終わった。思わず拍手をしてしまったため、真姫に気づかれてしまった。

ドアを開けて音楽室に入る。

A「よっ、うまいな、歌。」

真姫「あなたは・・・さっきの・・・」

A「蓮藤Aだ。よろしくな、西木野さん。」

握手を求めたが、真姫は応じてくれなかった。

真姫「作曲ならやりませんよ。」

どうやらお察しらしい。

A「どうしてそこまで頑なになるんだ？やっぱりあんなチャラチャラした音楽は嫌いか？」

真姫「・・・そうですね。私はああいう軽い曲は嫌いです。」

A「だよな。俺もそう思う。」

すると真姫は「えっ？」というような顔をしてこっちを見てきた。

A「正確には”思ってた”かな。いやいやついこの間までアイドルの曲なんてさっぱりだったよ。聴くものと言えば有名どころのアーティストの曲ばっかだ。」

真姫はこっちを見たまま俺の話を聞く。

A「でもな、いざ聴いてみるとなんというか、結構心に響くもんだな。身近にあるから余計に。」

真姫「・・・」

A「西木野さんさ、腕立て伏せできる？」

真姫「は？」

A「いや、腕立て伏せ。」

真姫「なんでそんなこと言わなくちゃならないんですか？」

A「なんだ、できないのか。」

真姫「ば、馬鹿にしないで！できるわよそのぐらい！」

チョロいな

A「じゃあ、どうぞ。」

真姫「1...2...3...4...5」

A「おお、うちの連中より全然できるじゃん。」

真姫「当たり前よ！私はこう見えても「じゃあさ、笑顔作りながらやってみて。」

真姫「笑顔？・・・」

真姫がぎこちない笑顔を浮かべながら腕立て伏せをする。

真姫「う・・・ヴェ、ヴェェ・・・」

A「できないもんだろ？ウチではこんなこともするんだぜ？」

腕立て伏せをやめて真姫が再びこちらを見る。

A「実際にやってみないとわからないこともあるもんだろ？」

そう言ってポケットから海未が作った歌詞を取り出して、真姫に渡す。

真姫「・・・やりませんよ？」

A「別にそれでもいいさ、ただもう一度考えてみてくれないか？」

A「あ、そうそう。あいつら朝と放課後に神社で練習してるから、よかったら見てやってくれよ。」

そう言って音楽室を後にした。