『ラブライブ！』小説

第49話 ページ50

A「この前さ、自分には取り柄がない、って言ってたろ？」

ことり「うん...」

A「俺はそうは思わないな」

ことり「え？」

A「ことりは自分の取り柄が見えないけど、穂乃果や海未や俺の取り柄は見えてただろ？それってよくあることじゃないか？」

A「ほら、隣の芝は青く見えるなんて言うだろ？何でも他人のものは良く見えるものさ」

ことり「...」

A「けどさ、それは他人視点からでも同じことが言えるって考えたことあるか？」

ことり「え...？」

A「俺からみたらことりは良いとこいっぱいあるぞ」

ことり「A君から見て私のいいとこ...？」

A「入って数ヶ月で伝説にまでなったミナリンスキー。これって、ことりの良い部分が出した結果じゃないのか？」

ことり「！」

A「普通は数ヶ月で店の看板になるなんてできる話じゃねーよ。そんなことができるとしたら、そいつはよっぽどその分野に関しての経験や知識がある奴か、或いは」

A「才能がある奴、かな」

ことり「...！」

A「ことりはメイドに関して経験とか知識はあったか？」

ことり「...ううん。なかったよ」

A「だろ？ほら、ことりは才能があったんだよ。メイドの才能、人を惹きつける才能が」

A「人を惹きつける才能を持つ人間なんてごく稀さ。そんなカリスマを備えた人間になんて中々会えるもんじゃない」

ことり「...でも、それは穂乃果ちゃんにも言えることだと思うよ」

A「うーん、どうだろうな。あいつにもそれがあるのかもしれないけど、あいつがメイドになって伝説になる姿が俺には想像できないな」

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