イケメンアイドルガールの事件簿

事件簿Bー3『映画撮影殺人事件』 ページ14

A「ミシェルさん、恵美さんを連れて行かないでください。アリバイがないのは恵美さんだけじゃありませんよ」

怜治「はぁ？何言ってんだ」

葉月「そうだよ、監督が殺された時は恵美ちゃん以外はみんな一緒にいたよ？」

A「監督が殺されたのは本当にあのガシャンという音がした時なのか？」

他「え！？」

A「あの音は監督が殺された後にも出すことができるんだよ。ドライアイスを使えばな」

他「ドライアイス！？」

A「犯人は監督を殺した後、監督がいつも控え室で飲んでいるワインのビンにドライアイスを入れてコルクで栓をした。そしてイスを逆さまにしてワインでイスを支え、その上にワイングラスをいくつか置いた。ドライアイスは溶けて気体になると およそ750倍の体積にふくらむ。だから犯人が殺人現場を立ち去って しばらくすると・・・ドライアイスの気体でコルクのふたが飛び、イスをグラスごとひっくり返した。それであの大きな音が出たんだ」

怜治「なんと！」

A「事件直後のワインは泡立っていた。スタッフに聞いたところ、今回のワインは炭酸入りじゃないようだな」

圭人「なに！？」

A「そして犯人は このトリックを仕掛けた後すぐに現場に向かったため ある物を持ったままなんだ」

宏太「ある物？」

A「そう、犯人はドライアイスを持ち運ぶための容器を持っていた！ソイツは・・・瀬戸原 葉月、アンタだよ！！！！」

他「！！！」

A「アンタが持っていた水筒の中にドライアイスが入っていたんだよ！！！！」

葉月「ちょっと待ってよ！水筒を持っていたからってなんで犯人扱いされないといけないの！？」

A「アンタは休憩の時間、自分で水筒を持ってきていたのに、わざわざお茶をもらっていた。不思議に思ったんだよな、自分の水筒があるのに何故それを飲まないんだろうって。それもそのはずだよ！あの時、アンタの水筒は空だったんだ！監督を殺害し、中に入っていたドライアイスを使った後なんだからな！違うか！？」

葉月「ぐっ・・・うるさいな！お茶をもらったのは僕の勝手だろ！？そんなのなんの証拠にもなんないよ！他に証拠あるの！？あるわけないよね！？」

A「証拠という荷物は、ちゃんとここに届いているんだよ」

他「！？」

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