第32話(過去〜現世へ) ページ36
貴方:「蓮…兄…どうしてここに?」
と我に返るが…アリスの暴走が抑えられず…
そこら中にアリスを撒き散らしてしまい…
私の周りに人集りが出来る…。
「「えりか様…我ら全員にどうか御命令を…」」と、まるで魂の脱け殻の様な虚ろな目で
私の所へ次々と人が寄ってくる。
(皆の視線が怖い…。でもアリスを抑えられない…どうしたら…どうしたらいいの…?)
(怖いよ…誰か…誰か助けて)と心の中で叫んでいると…。
蓮:「えりか…落ち着いて深呼吸をするんだ…
大丈夫えりかは一人じゃない。俺がずっと傍にいてえりかを守るから…。」
そう蓮兄が話してくれた瞬間…
私のアリスはゆっくりと失速していき…
薄れ行く意識の中で…蓮兄に記憶を封印されたのだった…。
「…ちゃん!え…ちゃん!」私呼ぶ誰かの声で目を覚ますと…
目を開けると目の前には…ドアップに蜜柑ちゃんの泣き顔と蛍ちゃんの心配そうな表情が映り…
貴方:「!!!?蜜柑ちゃん…蛍ちゃんどうしたの?」と驚いた表情で話すと
蛍:「このバカが…」と一言呟き…私の顔面に向かって…バカン砲が一発炸裂する。
貴方:「ぎゃふ!何するの蛍ちゃん!」と言い蛍ちゃんの方を向くと…蛍ちゃんの手は小刻みに震え…
蛍:「5日間も目を醒まさないで…心配させるんじゃないわよ…」と力なく呟く蛍ちゃんの姿をみた私は…
貴方:「蛍ちゃん…ごめんなさい…。心配をかけて…。」と正座をして謝った。
蛍:「一番に謝る相手は違うでしょ?
この子なんか…寝る間も惜しんで…ずっとあんたの付きっきりをしてたんだから。」
そう蜜柑ちゃんの方を見て話したのだった。
貴方:「蜜柑ちゃん…ごめんね心配かけて…
でももう大丈夫だから。ずっと傍にいてくれてありがとう」そう感謝の言葉を伝えると
蜜柑:「えりかちゃんごめんな…うち…全然
えりかちゃんの力に慣れんくて…えりかちゃん
一人に大変な思いをさせてもうて…。」
そう涙ながらに一生懸命言葉を話す蜜柑ちゃんを抱き締め…
貴方:「ごめんね…本当に心配かけてごめんね」と頭を撫でながら…その言葉しか言えなかった。
暫く頭を撫でながら蜜柑ちゃんが泣き止むまで抱き締めていると…
コンコン…扉をノックする音が聴こえ…
鳴海先生と…医者が部屋に入って来たのだった。
44人がお気に入り
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:秋桜 | 作成日時:2019年3月25日 12時