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第29話(過去編) ページ33

蓮:「はい…もしもし。」と蓮兄が電話に出ると
電話先は病院からだった…。

病院:「もしもし…藤堂さんのお宅で間違い有りませんでしょうか?実は…お宅のご両親が交通事故に合いまして…今危険な状態となっています。今すぐこちらに来れますか?」と伝えられ電話を切られた。

貴方:「蓮兄…今の電話誰からだったの?」と不安そうに話掛けると…

蓮:「母さんと父さんが交通事故にあったらしい…そう病院から電話が来た。」
「幸い大した事故じゃないらしいんだけど…
お迎えに来て欲しいみたいなんだ。」
そうえりかを不安にさせまいと笑顔で伝え
2人を迎えに行こうと蓮兄に手を差し出され…

貴方:「うん。」と頷き一緒に病院へ向かった。

病院へ向かう途中…私はタクシーの中で…
(蓮兄は、何かを隠してる…。きっと私に心配をさせまいと…気遣ってくれてるのだろう…。)

そんな蓮兄の優しさに…私は少し救われていた。

病院へ到着し看護婦さんに集中治療室へ案内される。

治療室では医者と看護婦忙しそうに走り回り
懸命な治療を続けていたが…

両親はその日の夕方帰らぬ人となった…。

貴方:「お父さん…お母さん…嘘だよね…?
こんなの悪い夢だよね…?ねぇ…目を開けてよ…
えりかって…名前を呼んで…?」そう消え入りそうな声で話し…

返事をしてくれない母に抱きつき…大きな声をあげて泣いてしまったのだった。
(その時…両親が交通事故に合う瞬間と犯人の顔がちらっと一瞬見えた気がした…。)


泣き崩れる私とは反対に…蓮兄は…静かに方を震わせ…

蓮:「…っ。どうしてこんな事に…。」と静かに動かぬ2人を見て…泣いていたのだった。

そんな中…2人に追い討ちを掛けるかの様に
事件が起きる…。

父と母が亡くなり…三日程過ぎた頃。
私と蓮の引き取り手を誰にするのか…
親族で何やら揉めていた。

そんな親族の話を聴きたくなかった私は…
一人で外へ出て宛もなく逃げていると…

いきなり後ろから何者かに薬を嗅がされ意識を手離してしまったのだった。

蓮:「ねえ…伯母さん…えりかを見ませんでしたか…?さっきから探しているのだけど…姿が見えなくて…。」

伯母:「えりかちゃん…?そう言えばさっきから見てないわね…。」と話す伯母に…

蓮:「そうですか…伯母さんありがとう。」と一礼し…俺は再びえりかを探しに家の中を走り回った。

ふと…俺の脳裏に「まさか外に出た訳じゃないよな…?」と考えがよぎり…気づけば外へ探しに出ていた。

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作者名:秋桜 | 作成日時:2019年3月25日 12時

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