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『……まさか、これを取り返しに行ってた訳じゃないよね?』
蛇に睨まれた蛙のような状況に、Aはなにも言えずに押し黙る。
神威は呆れを混ぜた溜め息を吐き、彼女の頭を手にしている書類で軽く叩いた。
『バカだなお前は。誰がそんなこと頼んだ』
この声には怒号は感じられず、むしろ柔らかく思えてしまう。それを不思議にAは思ったが、拳を固く握って言葉を吐き出した
『主人を護るのが、使用人の役目です』
『……それなら俺には、その使用人を護る義務がある』
座り込んだAと視線を合わせるようにその場にしゃがみ、神威は彼女の頭に手を乗せる。
そのままゆっくりと撫で、後頭部へ手を回し、自分の胸の中に引き寄せた。
『もう二度と、こんな無茶はするな』
神威の優しい言葉を聞いたAは、視界が歪む。
零れそうになる涙を堪えるように、きゅっと唇を噛み締めた。
『でも私は、あの日、本当は死ぬはずだった。
……貴方のせいで、死に損なったんです』
「だからこの命は元々無いものだ」
そう呟いたAに眼を鋭くさせた神威は、彼女をキツく抱きしめ直す。
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さざんか(プロフ) - 更新お疲れ様でした…!そして素敵な作品を本当にありがとうございました!涙が出てきちゃう程良いお話で、凄く忘がたい作品になりました。完結から長らく経ってしまいましたが、出会えて良かったと心から思います。本当にありがとうございました。 (2022年3月13日 3時) (レス) id: 20c7caba78 (このIDを非表示/違反報告)
今日花 - とても良い作品でした。神威が不器用な、けれど優しいところに惹き付けられました。最後は結婚という結果で思わず笑みが溢れます。心に残る作品でした。 (2017年9月19日 18時) (レス) id: 53c7e05c46 (このIDを非表示/違反報告)
ハル(プロフ) - ななさん» ありがとうございます! 大好きとは、勿体無いお言葉!! 神威は難しくて苦戦していましたが、ななさんにそう言ってもらえたので、そんな苦悩は吹き飛びました! コメントと閲覧、本当にありがとうございます( ´ ∀`) (2017年8月12日 10時) (レス) id: 30ed3dcdf9 (このIDを非表示/違反報告)
なな - 完結おめでとうございます!!とても面白くて素敵なこの小説、大好きです^^これからも頑張ってください!応援しています! (2017年8月6日 1時) (レス) id: f0f39f84a9 (このIDを非表示/違反報告)
ハル(プロフ) - RTtk46NmHahsgrzさん» ありがとうございます! こちらの作品、悩みに悩んで進めて行った作品なので、そう言ってもらえてとても嬉しいです。いつかまた、読み返してくださるとありがたいです^^ 他の作品も、もし良ければ読んでほしいです! また好きになってくださいな!! (2017年8月4日 10時) (レス) id: 731ff239df (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ハル | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/harumemory
作成日時:2017年6月19日 20時