短編集**Jr. SZ JW

脅威　高橋恭平&大西風雅 ページ50

「だから！何回言ったらわかるん？ここは不定詞しか入らへんの！」


Aはそう言って、英語の参考書を投げやりに差し出してきた。


こわ。何で勉強教えるときだけ当たり強いねん。


恭平「もうギブアップ…今回は赤点でもええか」


「ちょっと。私がわざわざ家まで来て教えてあげてんのに！赤点は回避してよね」


恭平「うーーーーーーん」


「ほんま集中力無いんやから…」


伸びをするついでに机に突っ伏したら、そのまま寝そうになって。



けど、突然開いたドアの音に一気に目が覚めた。



風雅「兄ちゃん！冷蔵庫開けっ放しにせんといてよ！」


「あ、風雅くん。おじゃましてます。」


風雅「あれ、Aちゃん！来てたん？」


このあざとい邪魔者。


来てたん？ちゃうわ。昨日からAが来るって言っといたのに。

弟やからって容赦せんで。



恭平「…風雅。邪魔すんなや」


風雅「邪魔なんかしてへんもん。Aちゃん、僕にも勉強教えて！」


「もちろん！どこがわからんの？」


風雅「えっと、ここの…」



ちゃっかりテキスト持ってきてるし。

…こないだそれ簡単すぎるとか言ってたよな？



最初のほうはテキスト解いてたけど、途中からただのお喋りになっていて。



恭平「おい風雅、邪魔すんな言うてるやん」


風雅「僕だってたまにはAちゃんとお喋りしたいもん」


恭平「今やなくてええやろ」


風雅「ていうか兄ちゃんさっき寝てたやん」


恭平「そもそも勝手に入ってくんなや！」




「もう恭平。大人げないな」


Aは俺をそう宥めてから、

不真面目な俺に教えるより、素直で可愛い風雅に教えてたいって言う。

これでも俺、彼氏なんですけど？



恭平「な、なあA。俺も真面目にやるから教えて」


「え？ああ、うん。もっと早くやる気出してたら風雅くんに私を取られなかったのに」


恭平「…え？」


Aは冗談めかしてるけど、


風雅「残念でした〜」


ニヤッと笑った風雅の顔に、いつもの可愛らしさは欠片もなくて。



「風雅くんは好きな子とか居るの？」


風雅「うん。居るよ」


恭平「…！」



ものすごく脅威を感じた。




恭平「A、次お前ん家行くわ」


「ん？別にええけど…何でそんな小声で言うん」



Aは何も知らない。


…何も知らないままでいいからな？





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もんちくん☆様リクエスト

一杯になりましたので移行します！第２弾も引き続きよろしくお願いします。

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