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お酒はハタチを過ぎてから 中島健人 ページ34

学習塾から帰り、私が家の扉を開けたのは22時頃だった。





健人「…おかえり。遅い、心配した」




リビングまで行くと、そこに立ちはだかっていたのは義理の兄の健人。


数年前に親が再婚して、一緒に暮らすようになった。


健人は私の5つ年上で、もうお酒も飲める年だ。




「ただいま。塾だから仕方ないんだってば」



健人「じゃあ次からはおにーちゃんが迎えに行ってあげる」



甘ったるい声でそう言いながら抱きついてくる彼は…




「…酒くさ。」



ほろ酔いどころでは無さそう。


机に無造作に散らばった空き缶の量が物語っている。






「お酒っておいしいの?そんなに。」



抱きつかれたままの状態で、ふとそんなことを言えば



健人「こんな時間に帰る割に、お酒の味は知らないんだね」



彼はパッと体を離して、私に嫌みっぽく笑いかけた。




「私が遊んでるとでも?」


健人「塾はいい口実になるよ?」



それは。

経験論か。





「お酒の味なんて、知らない。」



健人「ふ…じゃあ教えてやるよ」




私は、その言葉の意味を理解する前に


一瞬すぎるその感触を感じた。





「…何してんの?」


健人「え?キスも知らないの?」



ああやっぱり、そのまんまのつもりか。




お酒で火照った顔を傾げながら覗き込んでくる健人の視線を、私はわざと避けた。



「知ってる。知ってるから聞いたんだよ」



健人「…まだ気にしてんのかよ」


「だって私とあなたは、」


健人「何?俺とお前が兄弟だから何なの?」



少し口調が乱暴になっていたけど


それが彼の心の本気度と比例しているのは知っている。




健人「俺らは何も悪くない…」







そう、義理の兄。




禁断なようだけど




元々は他人。






もう少し早く出会ってたらよかったのに。


…飽きるくらいにそう思う。







「ねえ、さっきのじゃ全然味わかんなかった。」




そらしていた視線を戻して、懇願するように言う。







健人「ダメ。…次はハタチ過ぎてからね」






私がハタチを過ぎるまで

待っててくれる気がしないんだけど。

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さく象(プロフ) - もんちくん☆さん» 感想ありがとうございます(;_;) リクもありがたいです!書かせていただきますね! (2017年6月16日 23時) (レス) id: 5b69543648 (このIDを非表示/違反報告)
のらねこ(プロフ) - 西畑くんの、ありがとうございました!( ´тωт` ) とてもキュンときてさすがさく象さんだなと思いました!受験応援してます!不定期でも楽しみにしています! (2017年6月12日 22時) (レス) id: d7adf708f0 (このIDを非表示/違反報告)
もんちくん☆ - ありがとうございます!大好きな関西Jr.コンビなのでめっちゃ嬉しかったです!!もし良ければ大西風雅くんと高橋恭平くんでも同じ感じでお願いします! (2017年6月12日 7時) (レス) id: 4e0bba61ce (このIDを非表示/違反報告)
さく象(プロフ) - リクエストありがとうございます!当方受験生でして更新は不定期ですが、これからも読み続けてくださると嬉しいです…! (2017年6月11日 11時) (レス) id: 0869681e7f (このIDを非表示/違反報告)
さく象(プロフ) - もんちくん☆さん» 遅れてすみません(;_;) 上手く書けてる自信はありませんが楽しんでいただけると嬉しいです…! (2017年6月11日 11時) (レス) id: 0869681e7f (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:さく象 | 作成日時:2015年8月17日 14時

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