運搬 小瀧望 ページ29
「ぎゃ!」
体力測定の途中。
男子の50メートル走が終わって、一段落していたときに
どこからか聞こえてきた、Aのアホみたいな声。
『小瀧ー!ちょっと、きて!』
望「は?…お、俺か」
ああ、何となくわかった。
呼ばれたのは、女子の幅跳びの場所で。
「痛い、なにこれ、痛いんやけど小瀧」
望「お前…それ捻挫やん」
恐らく、Aは着地に失敗して足を挫いたっぽい。
ほんまアホ。どんくさ。
望「で?何で俺呼ばれたん?」
『わかるやんか』
女子生徒の視線の先は、
「ん」
地面に座り込んで、俺に向かって両手を広げるA。
なんて図々しいやつ!
望「これを運ぶん?」
「これって何や。歩けないもん、保健室連れてって」
はやくはやく、と言いながらジタバタする。
望「そんな元気あるなら頑張って歩けよ」
「ねー小瀧、お願い。一生のお願い!」
そう言って合掌してるけど
それ、もう何回も使ってるからな。
そうこうしてるうちに、周りの女子もいなくなって
あとはよろしくね、なんて言われちゃって。
俺が運ぶしかないやん!
望「もー、なんでちゃんと着地できひんの」
「それは言うな」
仕方なくしゃがんで、
望「ほら、砂ついてんで」
Aの頬についた砂をはらう。
随分大胆にコケたんや。ださ。
心なしか、そのときだけ目を合わせてくれへんかった気がする。
照れてた?こいつが?…んなアホな。
望「よっこいしょ…ああ、予想以上の重さ」
「それも言うな!」
俺の背中にかかるのは、予想以上に軽かったAの体重。
腕に乗っかる足も細すぎ。
そんなんやから
着地に失敗するんや。
「小瀧、惚れ直したぞ。」
耳もとで言うん、リアルやからやめてや。
望「彼氏はお世話係とちゃうで」
「せやったら、小瀧はお世話係もやっちゃうスーパー彼氏やんか〜!」
小瀧「ああもう、暑い暑い!」
真夏に抱きついてくるんも、暑いからやめろ。
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老け顔だけど、永遠のDK。
そんなイメージ。
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さく象(プロフ) - もんちくん☆さん» 感想ありがとうございます(;_;) リクもありがたいです!書かせていただきますね! (2017年6月16日 23時) (レス) id: 5b69543648 (このIDを非表示/違反報告)
のらねこ(プロフ) - 西畑くんの、ありがとうございました!( ´тωт` ) とてもキュンときてさすがさく象さんだなと思いました!受験応援してます!不定期でも楽しみにしています! (2017年6月12日 22時) (レス) id: d7adf708f0 (このIDを非表示/違反報告)
もんちくん☆ - ありがとうございます!大好きな関西Jr.コンビなのでめっちゃ嬉しかったです!!もし良ければ大西風雅くんと高橋恭平くんでも同じ感じでお願いします! (2017年6月12日 7時) (レス) id: 4e0bba61ce (このIDを非表示/違反報告)
さく象(プロフ) - リクエストありがとうございます!当方受験生でして更新は不定期ですが、これからも読み続けてくださると嬉しいです…! (2017年6月11日 11時) (レス) id: 0869681e7f (このIDを非表示/違反報告)
さく象(プロフ) - もんちくん☆さん» 遅れてすみません(;_;) 上手く書けてる自信はありませんが楽しんでいただけると嬉しいです…! (2017年6月11日 11時) (レス) id: 0869681e7f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:さく象 | 作成日時:2015年8月17日 14時