Love you. but... (ページ1)

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#1 起床ページ1

もうすぐ目覚まし時計が鳴る。

少ししか眠れなかった。

寝返りを打って天井のタイルの目地を数えて、

今日のスケジュールの最終確認をしていた。

他の人が羊を数えるところ、私は計画を立てる。

「A！」

階下から母が私を呼ぶ声がする。

うめき声とともに狭いベットから起き出て、

わざと時間をかけて、準備をする。

明日になれば、ここは私の部屋ではなくなる。

「A！」

また、母の声。

『起きてる！』

と大声で返事をする。

扉を開け閉めする音で、母も落ち着かないのが分かる。

胃のあたりが締めつけられるのを感じながら

シャワーの準備を急ぎ、どきどきが収まるよう祈る。

この数年間、心待ちにしてきた。

週末ごとに街に出ては酔っぱらってトラブルに巻きこまれる

同級生たちを横目に、わたしはひたすら勉強してきた。

テレビショッピングの番組を見ながら美容グッズを物色する母のそばで、

教科書とずっとにらめっこしてきた。

ワシントン・セントラル大学から合格通知がきた日は、ほんとうにうれしかった。

母は感激して何時間も泣いていたし、

これまでの猛勉強が報われて、わたしも自分を誇らしく思った。

一校しか受けなかったので、出願料の無駄もなかった。

州外の大学へ行こうかと考えたこともあったが、

そうほのめかしただけで、母の顔が真っ青になったので、

ちょっと言ってみただけだとなだめなければならなかった。