だいすきはっぴーついんたわー

＃２ ページ47

目も合わせてくれへん。

久々の仕事なのに、こいつ、目も合わせてくれへんよ…！？！？

俺はこんなに楽しみにしてきたのに。やっと話せると思ってきたのに。


最初の挨拶の「おはよう」の声と、先輩のところに挨拶しに行った時の「おはようございます」の声しかまともに聞けてません！！



「流星の…ばかやろー！！！！くそじじー！」



誰もいないと思って、罪のない自分のリュックをぶん殴る。

ごめん、VUITTONのリュック。

すると後ろから、くふふっと笑い声が聞こえて。



「なかなか荒れてんなぁ、のんちゃん」


「っえ！神ちゃんいたん！？」


「ばかやろーくらいから聞いてたんやけどのんちゃん気づかへんねんもん」



俺はなんという痴態を晒してしまったんや……

と落ち込んでいると、すぐさま神ちゃんがフォローしてくれて、



「まぁでもな？のんちゃんの気持ちもわからんことはないで？」



流石にリュック殴らへんけど、と笑いながらつけたした神ちゃん。

…ほんまにごめんリュックさん。



「流星も緊張してんとちゃうん？今日ものんちゃんめっちゃかわええから」



そう言って、小さい身長で必死に俺の頭を撫でてくる。




「神ちゃん……、無理せんくてええねんで？」


「しばいたろか？」

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