だいすきはっぴーついんたわー

＃３ ページ12

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…遅い。



俺より全然遅い。




「愛想尽かされた…かな」




俺なんて可愛くないし。



ただの便利な友達やったんかな。


…友達でもなかったか。




「あほ、…望のばか。」




そこらへんにあった段ボールを蹴り飛ばして、踏んづけて。


荒れてるの？って聞かれたら荒れてる。としか答えられないこの状況。




「望のばか…ばーかばーかばーか」




どうしようもないくらい、好きやねんて。


つらい、怖い。

いつか、離れて行ってしまうんちゃうかって。



今やって。

望が戻ってきてくれる自信なんてなくて。




「望のクソバカ…」



桃「え、なんで俺バカとか言われてるん？」



「…え、望…？」



桃「えええ、なんで泣いてるんよ！！」




大丈夫？なんて抱きしめられた腕からは、望の熱がしっかり伝わって。


そばに、いてくれてるんや。




「仕事…行かんとって…」




気づかないうちに出ていた言葉。

…わがまま、すぎたかな。




「な、なんてな…。

嘘嘘、嘘やからな！早く働いて出てってください〜」



桃「…流星はさ、出てってほしいん？」




え？そんなわけないやん。

絶対出て行ってほしくない。

ずっと俺のそばにいてくれたら、それだけでええ。



でも俺に、そんなことを言う勇気なんかなくて。




「………」



桃「そうなんや。流星の言葉信じ続けてきた俺がアホやってんな。

ええよ、もうおらんくなるからちょうどええやん。」



「え、ちょ、は？！やだ…っ」




引き止めるように掴んだ腕からは、全く知らない匂い。



…そっか。




桃「流星…？」



「もうええよ。さよなら。」




もう、早く忘れたい。

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