【HQ＊三年生限定】マフラー彼氏。【短編集】

ネイビーマフラー＊黒尾 ページ1

＊





「うー、さむいっ」


「それな、俺はアイツらまじすげえと思う」






　

私たちの視線の先には、雪ではしゃぐ音駒男子バレー部。
研磨以外。


氷点下でよくやるよ、ほんと。

かじかむ手を擦った。
　






「…子供を見守る親の気分」


「なに、俺らが夫婦？」


「違うの？」


「あらやだA、積極的」









クロは 私と繋いだ手をジャケットのポケットにしまった。
そっちの方が積極的じゃん。



ポケットのなかで、私の手を強く握る。

.....温かいな、クロの手。もっとキンキンに冷えてんのかと思ってた。失礼か。







「……あ、おい！黒尾とAがイチャイチャしてるぞ！」


「まじっすか夜久さん！
おーい、黒尾さん！A先輩は俺のっスよ！」


「俺のだわリエーフ！クソガキ！」





キッ、と睨みを効かせて猫みたいに威嚇する。


……なんか 微笑ましいなあ。
茶化してくるやっくんも、のっかるリエーフも。

今がずっと続けば、なんて。
私って幸せ。








「……どした？ニヤけてるぞー、おらおら」


「いひゃい、……ふろ、」


「誰だふろって、クロだろ」







ほっぺを思いきり引っ張られる。痛い。


きっと今すごいブスな顔してる。







「んー、いひゃい やめて！」


「かわいいから やめてあげなーい」


「だー……」


「だーってなんだよ」







悪く笑ったクロ。
かっこいいなんて、私かなり重症だ。




クロの紺色のマフラーに目がいく。
カッコつけた巻き方してる。見たことないような。

...なんでそんな羽みたいに出来んの？マフラーでしょそれ。





「……クロ、マフラーの巻き方変だね」


「手離した瞬間それかよ」


「だっておかしい、笑っちゃう」


「…………(´・ω・`)」








あからさまにしょんぼり気味のクロは、自分のマフラーをとって、
私の首に巻いた。




　




　









　







「……寒いんだろ？」


「優しいんですね、気持ち悪い……」


「まあ照れんなって」








照れてないし、ばーか。




小声で呟いて、ちょっと熱い顔を



マフラーに埋めた。

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