パスタ ページ7
Aは目の前の惨劇に言葉を失った。
原型が分からないほどグチャグチャに潰されたトマト、木っ端微塵にされたタマネギ、何の肉を使ったのか乱雑に掻き回され至る所に飛び散っているミンチのような肉。終いにはフツフツと煮えられた鍋に何故かパスタ麺が焦げている。
「パピルス。」
「何？」
「これ、何？」
「見ての通りパスタだ！
もしかしてA、パスタ食べた事ないの！？」
信じられない！とパピルスは目を丸くしてAを凝視した。
いや、うん、これは少々骨が折れそうだな。
Aは腹を括りキッチンに立つ。
事の発端は珍しくサンズからの電話だった。
用件はパピルスに料理を教えて欲しいとの事。
丁度昼休憩を貰っていたAは、グリルビーから許可を貰いスケルトン兄弟の家に足を運んだ。
前々からパピルスの料理についてはサンズから話は聞いていた。が、実際その様子を目の当たりにした瞬間思わず慄いた。
「まず基本的な事から教えるね。
最初にトマトは殴って潰すものじゃない。」
「え？でも、アンダインはいつもそうやって…。」
「うん、アンダインから教えて貰った事は1度忘れよう。
一旦リセットしようね。」
「にぇ…。」
何やらご不満そうなパピルスだが、Aは構わず話を続ける。
包丁の持ち方、野菜の切り方、ミンチの混ぜ方、ソースの作り方、パスタの茹で方から全てを教える頃には昼休憩はとっくに過ぎ、気が付けばサンズがリビングのソファーで寛いでいた。
「サンズ。」
「おう、どんな様子だ？」
「あと湯切りしてソース絡めたら出来るから、私はお店に戻るよ。」
「何だ。食ってかないのか？」
「休憩時間とうに過ぎてるし、グリルビーさん待たせちゃってるから。」
「そんな事か。それならオイラが話しといたぜ？」
「え？」
「弟のお料理教室は半日かかるから、このままお前さんを借りてくってな。
そういう事だから食ってけよ。Papの最高傑作をよ。」
「え！？Aも食べて行くの！？
3人で俺様のパスタ食べるの初めてだな！」
ニヤリと笑うサンズと遠くから聞こえて来るパピルスの嬉しそうな声。
Aは明日は倍近く働かないとな。と思いながら、ソファーに深く腰掛けたのだった。
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MALCO(プロフ) - コメントありがとうございますo( ^_^ )o 少しずつですが続編作ってますo( ^_^ )o 落ち着いたら公開しようと思うのでそれまでよろしくお願いします♪♪ (2020年12月2日 23時) (
レス) id: 6553205470 (このIDを非表示/違反報告)
黒月 - すごく面白かったです！続きを楽しみにしています！更新頑張ってください！(*´▽`*)！ (2020年11月28日 20時) (レス) id: c7163e8141 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：MALCO | 作成日時：2020年7月19日 22時
