話し合い 1 ページ21
フリスクに連れられてルインズへとやってきたA。
Knock,Knock
いつもと変わらず大きな扉を小さな手が叩く。
今日は少しだけ大きなケツイも持って、
「おかえり。フリスク。
あら?Aも来てくれたのね。」
「ただいま。ママ。」
「こんにちは、トリエルさん。
突然ごめんなさい。」
「そんなにかしこまらなくても良いのよ!
さ、中に入って?今日もお茶会しましょ!」
そう言って中へ促すトリエル。
フリスクはすかさず口を開いた。
「ママ、大事な話があるんだ。
Aに来てもらったのもその為なんだ。」
「大事な話??」
「そう、とりあえず続きは中で話すよ。
さ、Aも入って。」
「お邪魔します。」
いつにもまして神妙な面持ちのフリスクに何か思うところがあるのか、トリエルは静かに2人を通す。
「それで、大事な話ってのは何かしら?」
トリエルが長年愛用している長い背もたれの椅子に座ってからそう言うと、眼鏡ケースからそれを取り出し対面して座るフリスクへと見やる。
「ママ、どうか怒らないで聞いてほしいんだ。
僕…。」
そこで一度口を紡ぎAへと視線をやる。
彼女は何も言わずフリスクに頷けば、彼は唾を呑み込み再度トリエルと向き合った。
「僕、地上に出たいんだ。」
「……。」
「ママ…?」
「やっぱり、」
「?」
「やっぱりあなたをここから出したのは間違いだったわね。
せめてここを行き来できるようにすれば、地上に出たい気持ちも薄れると思っていたのに甘かったわ。」
「ママ、お願い。最後まで話を聞いて…。」
「いいえ、この話はもう終わりよ。もうあなたを
「ママ…。」
「話はもう良いわよね?ママ、これからやらなくちゃいけない事ができたの。
Aには申し訳ないけど今日はもうお引き取り願えるかしら?」
「何をするつもりですか。」
「何をって決まっているじゃない。
外に繋がる唯一の出口、これからあそこを壊します。」
フリスクは全身の血の気が引いていくのが手に取るように分かった。
自分の気持ちを、想いを、考えをどうしたらトリエルに届くのか必死に思考を張り巡らす。
「まだ話は終わっていません。」
そんな彼の気持ちを汲み取るように、Aは立ち上がろうとするトリエルに向かって冷静に続けたのだ。
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MALCO(プロフ) - コメントありがとうございますo( ^_^ )o 少しずつですが続編作ってますo( ^_^ )o 落ち着いたら公開しようと思うのでそれまでよろしくお願いします♪♪ (2020年12月2日 23時) (レス) id: 6553205470 (このIDを非表示/違反報告)
黒月 - すごく面白かったです!続きを楽しみにしています!更新頑張ってください!(*´▽`*)! (2020年11月28日 20時) (レス) id: c7163e8141 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:MALCO | 作成日時:2020年7月19日 22時