グリルビーズ ページ1
グリルビーズには、地下世界の歌姫がいる。
彼女の歌声を聴きに遠路はるばる足を運ぶ常連がいる程、地下世界のモンスターは皆彼女の歌声に聴き惚れていた。
「〜♪〜♪」
彼女の名前はA。
その肌は繊細で光さえも透き通り、時折一滴の雫が滴り落ちたかのように波紋が広がる。
彼女は水そのものだった。
どんな時でも穏やかで嫋やか、そして淑やかに。
グリルビーズが大地なら、彼女は壮大な地に咲く一輪の百合。
その容姿も相成って彼女の所へ通いつめるモンスターは数え切れない。
そして―――。
「よう、今日も盛況だな。」
「あ、サンズ!いらっしゃい。」
彼もまたその1人に過ぎない。
「相変わらずいい歌声だな、A。
“骨”抜きにされちまう。骨だけに。」
ツクテーン
どこからかドラムの叩く音が聴こえた、気がした。
客たちは慣れた様子で彼のギャグをスルーし、彼もまた慣れた様子でお馴染みの席に座る。
「サンズも相変わらずだね。はい、いつもの。」
Aがくすくす笑いながらケチャップとポテト、ハンバーガーをカウンターに置けばサンズは「これがないと一日が始まらないだろ?」と返す。
「あー、はいはい。そうねー。」
「Heh,heh...
お前さん、おちょくってんだろ。」
「まっさかあ!サンズのジョークは好きだよ?トロン“ボーン”の次にね!」Aは飛び切りの笑顔でそう返したのだ。
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MALCO(プロフ) - コメントありがとうございますo( ^_^ )o 少しずつですが続編作ってますo( ^_^ )o 落ち着いたら公開しようと思うのでそれまでよろしくお願いします♪♪ (2020年12月2日 23時) (レス) id: 6553205470 (このIDを非表示/違反報告)
黒月 - すごく面白かったです!続きを楽しみにしています!更新頑張ってください!(*´▽`*)! (2020年11月28日 20時) (レス) id: c7163e8141 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:MALCO | 作成日時:2020年7月19日 22時