悪女

可哀想な ページ23

マリコが映画デートっていうから

こっちもデートすることにした


よりによってこの前望と見た映画やけど


私は気にしない



W緑:『映画とかめっちゃ久々なんやけど〜』

あなた:「恋愛映画とか見んの？」

W緑:『あんまり見んかな〜』



ぎゅっと腕を組んで智洋と歩く

お客様に見つかったら悪いからサングラスはかけとくらしい


映画館の前は思ったよりひとは少なかった



あなた:「あ、あれうちの彼氏」

W緑:『え？』


サングラスをあげた先には長身のトイプードル男が見えるだろう



W緑:『あれか…Aええの？

ってかあの人…』


:お待たせ 望


W緑:『女の人と一緒やで』


あなた:「おん

あの子な、私の友達


ね？



マリコ」



え？

と男女がこちらを向く


W桃:『え？何でA…

マリコ:Aこれは、これは違うの！


あなた:「何が違うん？」


そばまで寄り二人の手をかざす


お揃いの指輪


W桃:『これは！たまたま』


あなた:「何がたまたま！？

私知っとるから

望がやってきたこと全部

全部知っとるから

もう遅い」


可哀想に


せっかくのおデートだったのにね


怯えて今にも逃げ出しそうなマリコを軽く睨む


あなた:「私がさぁ、どれだけ


言葉を繋ぐ前に手が出てた


智洋の手


思いっきり殴られた望は路上に倒れる


W緑:「ふざけんなよ

Aはお前の何倍も痛い思いしたんや！」


W桃:「っ、てかA、こいつ誰？」


立ち上がり時に手を捕まれそうになったのを振り払った


あなた:「私の彼氏」

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