悪女

嘘ホント ページ2

行ったってムダ


結果はわかっているのに

望のところに行く私はバカだ



マンションのドアの前


小さい穴から覗いてみる


ヒールの先が見えた

真っピンクの


うわぁ…


絶対履かない…


想定内の結果


これを今まで何回繰り返したことか


ドアの前で立ち尽くしてたら

中から急に出てきそうで

恐ろしくなってマンションを後にした


今日はバイトも休みやしなあ…


レポートの続きか、それとも…

prrrrrrrrrr


【○？電話した？ごめん出れんくて】


「いや、ええよ」


【…どうせまた望くんのことでしょ？】



マリコには敵わない


「…図星です」



行きつけのファミレスで待ち合わせて、お茶


いつもこう


【そんなに忙しい時期なんかな？】


「経済学部は忙しいんちゃう？」


【学校によるんかな？

私の彼氏も一応経済学部やけど】


マジかい！？


そりゃ初耳だよ、マリコ様！！


「じゃあ、学校によるのかも、ね」



私の彼氏の望は、他の大学の経済学部で、一応バイトもやってて

忙しくてなかなか会ってくれないの…


なんて嘘


経済学部でバイトしとるのは間違ってへんだろう


本当のことなんて誰にも話したことがない


もちろんマリコにも


だって浮気されとるのに離れられない自分がいて


たまに会うと そんなとこもいとおしいと感じてしまって…


そんな醜態言えるはずもない

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