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10話。 ページ12
放課後。
｢一也ー、一緒に帰ろうぜ！｣
魁翔は鞄を持ってこっちにくる。
あー、先輩……
｢ごめん。爽哉先輩と帰る｣
俺はそう言って教室を出る。
｢？いち君、どこ行くの？｣
ふと真楓佑が声をかける。
｢爽哉先輩のとこ｣
俺がそう言うと、真楓佑は
｢奇遇だね。僕も和真先輩のとこ行くの。一緒に行こ？｣
と言って笑う。
2人で教室を出ると自然と目につく窓の外。
……あれ。
｢莉央ー？｣
俺はよく見る後ろ姿に声をかける。
莉央は少しキョロキョロしてから上を見て俺らの姿に気づく。
｢にいさーん！｣｢あ、ほんとだ。一也せんぱーい！｣
莉央の言葉にこっちに気付いた類も言う。
2人で帰るのか。仲良いよな。
俺はそんなことを考えつつ先輩の教室に向かった。
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