第一話 初めましてじゃない初対面�� ページ9
女の子。あの日本人形の狙いは私かまなちゃん？じゃあ、その目的は？
「うふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふ」
地面から伸びた髪の毛が私達に再びの所へ。
鬼太郎「髪の毛針！」
細くて小さい、しかし無数で鋭い針が1本残らず容赦なく髪を切り裂いた。
そして
鬼太郎「体内電気！」
バチバチという激しい音と共にちゃんちゃんこを巻き付けた腕から黄色い電気が雷のように地面に向かって落ちた。
「ああああああああああああああ！！！！」
悲鳴と共に髪の毛は消え、残ったのは電気を受けて抉れた地面のみ。あのどす黒い気配も消えた。
まな「やったの？」
まなちゃんは安堵半分不安半分の表情。しかし
鬼太郎「いや、終わってない。逃げただけだ。」
まな「そんな……」
だよね。人形がないのは凄まじい電気を受けたからで説明がつくかもだけど、肝心の霊魂がない。
猫娘「思ったより厄介な相手ね。それより鬼太郎、あいつの狙いって。」
鬼太郎が猫娘の言葉に頷き、言葉を引き継ぐ。
鬼太郎「逃がさない。可愛い女の子。逃げようとした2人を阻んだ。つまり狙いは、まな、か亜久里。もしくは両方だろう。」
まな「あの日本人形、なんで私達を？」
鬼太郎「それは分からない。」
そう、目的は何か。それより、
亜久里「ねえ、女の子って言ってたけど、私達以外に狙いがいく可能性もあるのかな？」
猫娘「それもなくはないか。ってかあんた、自分が狙われたっていうのに冷静ね。」
少し驚いたような若干呆れの色を混ぜた声色。
冷静か。だってこんなの慣れてる。物心ついた最初の方の記憶は妖怪に攫われかけた時のこと。ていうか私が狙われてた方がいいし。その方が対処しやすい……
やばい。妖怪に初めて会った女の子設定なの忘れてた。だって悪い妖怪に遭遇して身の危険が迫ったんだもの。つい。
亜久里「 ……たしかにそうですね。自分でもびっくり。怖かったから色々通り越して逆に冷静なのかも？」
無理に取り繕わないのが得策だろう。しかし、「そう？」と猫娘はどこか納得がいってない様子。まさか主犯とか思われてないよね？それは1番いや。
？？「その心配はおそらく大丈夫だろう。」
亜久里「へ？」
鬼太郎より高く感じるけど男の人の声。不思議と安心感と貫禄がある。
問題は、どこから？
辺りを見る。悪い気配は感じない。
だから気付かなかった。何より鬼太郎の気配に紛れて。今なら鬼太郎の髪の毛から感じる。妖怪の気配。
髪の毛が揺れる。そして━━━━━━━━━━━━━━━
目玉。目玉だ。目玉に首から下の胴体。動いてる。
妖怪は見慣れて……
亜久里「きゃあああああああああああ！！」
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作者名：一ノ瀬花恋 | 作成日時：2023年12月6日 4時
