第一話 初めましてじゃない初対面�� ページ8
まな「うん、本当だよ。2人は妖怪。でも悪い妖怪から私達人間のことを守ってくれる優しい妖怪だよ。」
亜久里「……そうなんだ。」
だから非現実的なことに対して驚いて情報を処理出来ず固まった振りをした。大丈夫。怪しまれてない。
まな「……信じてくれるの？」
あっさり受け入れた私にまなちゃんが少し驚いていた。怪しまれては……ないね。
亜久里「嘘なの？」
まな「ううん、本当。」
亜久里「だよね。」
証拠出せとか言った方がよかったかな。これ以上拗れるのはかわいそうだから言わなかったけど……
鬼太郎「さあ、早く……」
━━━━━━━━━━━━━━━ぞわり。
私が感じたのとほぼ同時に鬼太郎のアンテナが立つ。
亜久里「まなちゃん。呪いの人形は緑色の着物を着た髪の長い日本人形……だっけ？」
まな「うん、そうだよ。」
亜久里「それのこと？」
そう言って私は、
まなちゃんの足元を指さした。
疑ってなかったけど、本当に呪いの日本人形だったんだ。さっきまで絶対いなかったし、どす黒い気配がする。
まなちゃんを連れて離れようと脳みそが考える前に、鬼太郎と猫娘が攻撃を仕掛けた。
風圧がすごい。
私達には当たってないからなんてことないけど。
……なんて攻撃力なの。地面、抉れてる。2回言うけど私達に被害はない。余計に怖い。
すぐに砂クズ煙がはれる。
いない。
気配は感じるから近くにいる。
どこ。
「うふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふ」
甲高くて気味の悪い笑い声が響く。
どこ。集中しろ、集中。目を閉じる。
…………いた。
私達の真上から、あのどす黒い気配。上を見上げれば、綺麗な夕焼け空。でも、そこにいる。
亜久里「上！」
みんなが見上げたと同時に姿を現した。
「うふふふふうふふふふふふふあーはっはははははははははははははははははははははははははははは！！」
高笑いと共に髪の毛を縄のように伸ばして私達目掛けて勢いよく、一直線に。
猫娘「にゃああああああああああ！」
猫娘が長い爪で全て切り裂いた。
間髪入れずに鬼太郎が霊毛ちゃんちゃんこを腕に巻き付け、
鬼太郎「霊毛ちゃんちゃんこ！」
勢いよく殴り掛かる。しかし当たる寸前にまた姿を消した。
鬼太郎「まな！亜久里！逃げろ！」
まな「うん！」
2人で勢いよく走って逃げる。
しかし
「うふふふふふふふ逃がさない可愛い女の子」
まずい。
まなちゃんの腕を引いて後ろに飛び下がる。
着地し、悲鳴を上げバランスを崩した彼女が転ばないように体を支えた。
危なかった。私達が下がった瞬間、長い髪が地面から出て来た。
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作者名：一ノ瀬花恋 | 作成日時：2023年12月6日 4時
