たそかれ娘の青春【ゲゲゲの鬼太郎(第6作)】 (ページ3)

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第一話初めましてじゃない初対面② ページ3

豆腐小僧「たまご豆腐おいしー！」

満面の笑みでたまご豆腐を頬張るこの子は、妖怪の豆腐小僧。
そう、約束とは豆腐小僧とだった。まなちゃんに嘘はついてない。だって人間との予定とは言ってない。

豆腐小僧「こっちの黒ごま豆腐？もおいしいなー！人間の豆腐も中々だね。オイラの豆腐には負けるけど！」

亜久里「喜んでくれたようでなによりだよ。この前はありがとうね。」

先日、親戚を招いた集まりの時に、豆腐小僧に豆腐をお願いしたのだ。料理の1つとして出し、めちゃめちゃ好評。豆腐小僧からと言った後は、なお好評。
だからそのお礼。人間の世界の色々な豆腐を食べたかったらしい。

私の一家は大昔から妖怪と関わりながら共存して来た。だから妖怪と関わることは日常茶飯事だ。現に家に住んでいる妖怪もいる。
そして、恋愛をして子孫を残して来た。後世で先祖返りすることも珍しくない。かくいう私も先祖返りで、生まれながら妖怪の力を持っている。

豆腐小僧「ご馳走様ー！今日はありがとな、亜久里！」

亜久里「お粗末さまでした！こちらこそ、またよろしくね。」

豆腐小僧と別れて帰路につく。もう夕暮れだ。少し急ごう。と、少し足を早めたタイミングで、右斜め前の道、塀の向こうから人の足音。走ってるな。多分何秒か後に目の前に現れる。ぶつからないように足を止めた。そして予想通り数秒後に現れた人物は

亜久里「まなちゃん？」

まな「亜久里ちゃん！？」

教室で手を振ったまなちゃん。カラオケが終わるには早い気がする。どうしたのかな？

亜久里「どうしたのまなちゃん。そんなに急いで。」

まな「実は呪いの人形が……」

亜久里「え、呪い？」

オウム返しのように問いかけると、焦った表情になった。

まな「じゃなくて！！亜久里ちゃん、どこかで日本人形見なかった？前髪ぱっつんだけど髪の毛が長くて、緑色の着物を着てる日本人形！」

亜久里「うーん、日本人形かぁ……」

お世辞にも誤魔化せてるとは言えないけど、そこは食い下がらずにスルー。そんなことより、まなちゃん呪いとか知ってるんだ。じゃあ、妖怪を認識してる可能性大じゃん。まなちゃんの家が妖怪関連のお家とは思えない。そんな情報を聞いたこともない。じゃあ、なんで知ってるんだろうか。

……何故だろう。驚かない。まなちゃんが妖怪やら呪いを知っているという可能性に。いや、可能性じゃない。この子は知ってるんだ。どころか妖怪と関わっている。

何故、私はこんなに確信してる？
何故私は驚いている？まなちゃんが妖怪を知って、尚且つ関わって生きているということを知らなかったことに。