第一話 初めましてじゃない初対面�� ページ18
目玉おやじ「わしも先祖返りに会ったことがある。しかし何となく違和感が生じただけでな、あの子が妖怪の気配をいち早く察知する姿や鬼太郎の話がなければ確信が持てなかった。亜久里ちゃんが上手に隠していたからじゃ。」
まな「鬼太郎は何か分かってたの？」
鬼太郎「初めて会った時、亜久里から僅かだけど妖気を感じたんだ。妖怪ではなく人間であることは確かなのに。」
まなは思い詰めた表情で口を開く。
まな「亜久里ちゃんがあの日本人形と繋がってるってことは……」
鬼太郎「それはない。あの子の妖気は悪いものじゃない。だからこそ、同じ場所にあの日本人形と亜久里の妖気を感じるこの状況はまずいんだ。」
安心したと同時に、不安になるまな。
猫娘「あの日本人形、亜久里が先祖返りだって気付いたのね。そうじゃないと、まなをほっといて亜久里の所へ行った説明がつかないもの。」
まな「私、亜久里ちゃんに電話してみる！」
━━━━━━━━━━━━━━━そして現在。
亜久里「目玉おやじさんが教えた……ということはあなたは先祖返りに会ったことがあるんですね。」
鬼太郎と猫娘はないって踏んでいたけど。目玉おやじなら会ったことがあっても不思議じゃない。
目玉おやじ「ある。亜久里ちゃんが気配の隠し方が上手かったからすぐには気付けなかったが。……亜久里ちゃん。」
亜久里「はい。」
目玉おやじ「先祖返りは普通の人間より遥かに妖怪に狙われやすいということを知っているはずじゃ。」
何となく、そう言うと思った。
亜久里「はい、身をもって。嫌と言うほど知ってます。」
目玉おやじ「それなら今回、どうして自ら妖怪に関わろうと思ったんじゃ？危険を犯してまで。」
亜久里「危険は承知です。危険だと分かっているからこそ見て見ぬふりはしたくないんです。私に力があるから。」
鬼太郎「……だが君の先祖返りの力ではあの日本人形と戦えない。」
相変わらず圧は向けられたままだ。静かだけど、怒っている。
亜久里「うん、分かってる。私は鬼太郎みたいに正面から戦えない。」
鬼太郎「尚更、何を考えている？それは勇気とは言わない、自 殺行為に等しいと分からないのか？」
まあ、そう思われても仕方ない。でも違うの。
亜久里「鬼太郎聞いて。確かに真っ向勝負は出来ないけど私は……」
━━━━━━━━━━━━━━━ぞくり。
壁穴から呪いの日本人形の気配。
さっきより増している、どす黒い妖気。
鬼太郎「亜久里、下がってくれ。あいつは僕と猫娘で倒す。」
そう言うと、鬼太郎と猫娘は臨戦態勢に入った。
「うふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふ」
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作者名：一ノ瀬花恋 | 作成日時：2023年12月6日 4時
