第一話 初めましてじゃない初対面�� ページ13
誰も一言も発さないまま、私の家を目指して歩き続ける。この角を右に曲がれば、私の家だ。帰ったらお風呂入ってご飯を食べて、早く寝てしまおう。
まなちゃんには鬼太郎達がついてるから大丈夫
━━━━━━━━━━━━━━━じとり。
どす黒い妖気。私だけに向けられている。あの呪いの日本人形のもの。猫娘はもちろん、鬼太郎も気付いてない。
何故？執着の相手が変わった？まだまなちゃんを不幸にしていないのに？……先祖返りに気付かれたか？分からないけど、
今この瞬間、私に矛先が向いているのは事実。
出てこないのは、鬼太郎達がいるからかも。
今日はおばあちゃんは帰らない。このまま家に帰ったらあの子達、家に住んでいる優しい妖怪を巻き込んでしまう。あの妖怪を退治しつつ、あの子達を守る力は私にはない。力不足で不甲斐ない。
亜久里「……みんな送ってくれてありがとう。ここを左に曲がったらすぐに私の家だから、ここで大丈夫。」
まな「そっか、気を付けてね亜久里ちゃん。また学校で。」
亜久里「まなちゃんも気を付けて。今度は遊びに行こうね。」
まな「……うん！明日にでも誘う！」
まなちゃんと笑い合い、鬼太郎と猫娘にも顔を向ける。
亜久里「鬼太郎、猫娘さん、目玉おやじさん。ありがとうございました。まなちゃんのことよろしくお願いします。」
鬼太郎「ああ。」
猫娘「任せなさい。」
目玉おやじ「亜久里ちゃん。君の勇敢や優しさはとても素敵じゃ。じゃが、自分の身も大切にすることも忘れずにな。」
亜久里「はい、これからもそこは徹底していきます。もし私が死んじゃったら親や祖母達が悲しむだろうから。」
最後に会釈してまなちゃんに手を振り、私は小走りで左へ進んだ。
亜久里と別れて、角を右に曲がった道を進む鬼太郎達。
まな「ごめんね、巻き込んで。」
猫娘「まなは気にしなくていいの。あいつを退治したら今度、駅前のフルーツパフェでも食べに行きましょ。」
まな「行きたい！亜久里ちゃんも誘っていい？」
猫娘「いいけど、あの子私に対して苦手意識持ってない？」
まな「ねこ姉さんの笑顔にやられただけだよ。」
猫娘「なによそれ……」
そんな2人の後ろを、僅かに距離を置いて歩く鬼太郎。
目玉おやじ「鬼太郎、何か気掛かりでもあるのか。」
鬼太郎「はい、父さん。」
目玉おやじ「……亜久里ちゃんのことじゃな。わしにも思うところがある。」
鬼太郎「ええ。僕もです。あの子は人間。普通の人間より身体能力が優れていますが所詮人間。……そのはずなのに
━━━━━━━━━━━━━━━亜久里自身から僅かな妖気を感じました。」
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作者名：一ノ瀬花恋 | 作成日時：2023年12月6日 4時
