たそかれ娘の青春【ゲゲゲの鬼太郎(第6作)】 (ページ12)

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第一話初めましてじゃない初対面⑪ ページ12

呪いの日本人形のねらいはまなちゃん。強力な相手だったら無理矢理理由つけて残ろうとするけど、鬼太郎達なら絶対大丈夫。それなら、この場でただの無力な人間である体の私は邪魔なだけ。

亜久里「……分かった。まなちゃんのことよろしくね。」

まな「亜久里ちゃん、巻き込んじゃってごめんね。危険な目にも合わせちゃって……。」

彼女は眉毛と目を八の字にさせて、沈んだ声色で謝って言葉を詰まらせた。罪悪感があるんだろう。それはよく分かるけど、だからこそ気にしてほしくない。

亜久里「まなちゃんは悪くないよ。悪いのはあの日本人形だって。それに元はと言えば首を突っ込んだのも私だもん、まなちゃんが気にすることじゃないよ。」

まな「亜久里ちゃん……。」

猫娘「まなは必ず私達が守るわ。だからあんたは安心して帰りなさい、亜久里。」

……初めて名前を呼ばれた。微笑み付きで。絶対呼ばれんと思ってた。デレが向けられた！1パーセントにも満たないデレだろうが、向けられたことに変わりはないぞ！！

猫娘「……なによ。」

亜久里「いえいえなんでも！！美少女は罪だなって思っただけです！」

高速で首を振る。嬉しすぎて余計な一言も出てしまった。

猫娘「？？」

……得心がいかない表情をさせてしまった。

鬼太郎「帰ろう。家まで送っていく。」

亜久里「私は大丈夫、1人で帰れるよ。狙われてないし。」

鬼太郎「絶対に大丈夫とは言いきれない。それに君を妖怪の問題に巻き込んで危険な目に合わせてしまったことは変わらない。」

亜久里「いや、どっちかというと巻き込まれにいったのは……」

私だからいいよ。と続けるつもりだったけど遮られる。

鬼太郎「この件に君が興味本位ではなく、まなを思って首を突っ込んだのは分かる。だが、それは妖怪相手に二度と発揮しないように。今回は幸運にも無傷だっただけだ。さっき言った通り命の保証は出来ないし、次はない。これは警告だ。分かるね、亜久里。」

揺らぎのなさは変わらず、でも重みが加わった声色と表情、目つき、雰囲気。

亜久里「鬼太郎……。」

鬼太郎「行こう。」

返事をしない私にあえてだろう、触れずに彼は歩き出す。猫娘も無言で続く。

まな「亜久里ちゃん、行こう。」

まなちゃんに優しく手を引かれて私も歩き出した。

嘘は言いたくない。誠実で優しい人達に。

鬼太郎の警告は分かる。

でも私には力がある。あなた達と同じ妖怪の力。

言うなと言われてるから言えないけど。

力があるのに、見て見ぬふりはしたくない。今までもこれからも。

私の身を案じてくれてありがとう。でもごめんね

━━━━━━━━━━━━━━━その警告は聞けないの。