第一話 初めましてじゃない初対面�� ページ11
目玉おやじ「うむ。おそらくあの日本人形の妖怪は、関わりのあるうち、たった1人の人間に執着する性質を持っているようじゃ。」
鬼太郎「……確かにそうかもしれませんね。」
鬼太郎や猫娘は納得したらしいけど待って。私は分からない。
亜久里「目玉おやじさん、なんでその性質があるって分かるんですか？」
目玉おやじ「亜久里ちゃん、わしらは忽然と姿を消した日本人形を回収してほしいとの依頼で今回動いているんじゃ。その時、依頼人である神社の神主からあの日本人形について説明を受けてな。今まであの日本人形との関係は云々、付きまとわれた子はみな不幸になったと。」
鬼太郎「しかし、家族や周りの人間には一切被害はなかったそうだ。不幸になったのは付きまとわれた人間のみ。」
亜久里「その1人だけ？」
鬼太郎「ああ。少し引っかかっていたが、さっきの日本人形の行動とあの日本人形が姿を消してから誰にも被害を加えていなかったこと踏まえれば、合点がいく。」
猫娘「あいつと関わりある人間……もしかしてまな？」
猫娘には思い当たる節があったようだ。
まな「でも私、お手伝いで神社に供養されていたあの日本人形を運んだだけだよ。」
鬼太郎「亜久里、君に心当たりは？」
亜久里「ううん、さっき初めて見た。」
鬼太郎「なら、猫娘の言う通りまなに執着してると見て間違いないだろう。」
鬼太郎の淡々として、それでいて断定した言い方にまなちゃんは焦り出す。
まな「関わりがあるって言うならそれこそ神社の神主さんじゃないの！？」
猫娘「あの日本人形にとっては違うのよ。神主は自分が不幸になったとは言ってなかったもの。」
まな「じゃあ、どうして私を……」
可愛い女の子、か。
亜久里「……ねえ鬼太郎。もしかして今まで付きまとわれた人達ってみんな女の子なの？」
鬼太郎「そうだ。被害者の共通点は幼女から少女。しかしあの日本人形の持ち主になった人もいれば、家族の誰かが所有していた、まなみたいに1度触れた、もしくは一目見ただけで付きまとわれて不幸になったなど、日本人形との接点に明確な共通点はなかったんだ。」
目玉おやじ「被害者から見たら、の話じゃがな。執着を定める基準はあの妖怪の気持ち1つなんじゃろう。目的はまだ定かではないが。」
まな「そんな……。」
猫娘「手前勝手なやつね。今度は切り刻んでやるわ。」
猫娘さん、殺気やら妖気がだだ漏れ……。
鬼太郎「亜久里。」
亜久里「……なに、鬼太郎。」
鬼太郎「呪いの日本人形のねらいは分かった。この件は僕達が対処する。君はまた巻き込まれないようにすぐに帰るんだ。」
……ですよね。
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作者名：一ノ瀬花恋 | 作成日時：2023年12月6日 4時
