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第5話 初めまして、愛しの貴方 ページ7

時刻は11:40。私は米花駅前にいた。ここで響ちゃんと待ち合わせなのだ。約束は12:00だが早く着いてしまった。安室さんに会えると思うともうテンション上がりまくり。それと同時に緊張がやばい。元いた世界でもこの世界でだって何度も緊張した場面はあるが慣れない。ああ、早く安室さんに会いたい.....。一日千秋とは正にこのことか。

11:55になろうとするぐらいに響ちゃんの姿が視界に入った。きょろきょろと周りを見て私を探している。

流花「響ちゃん!こっちだよー!」

彼女の名前を呼びながら大きく手を振る。気付いた響ちゃんも手を振りながらこちらに来た。

響「流花おはよー!ごめん、待った?」

流花「大丈夫だよ、私が早く着きすぎちゃっただけだから」

それから徒歩で喫茶ポアロを目指す。ああ、楽しみすぎて死ぬ。いやまだ死ねない。安室さんに会ってないもん。

響「そういえば流花さ、何で髪の毛切ったの?」

流花「んー、気分?」

響「何で疑問形よ」

響ちゃんが呆れたように笑う。
元の世界でもこっちでも私は腰まで髪を伸ばしていた。しかしトリップしたその日に美容室に行き髪を肩にかかるくらいまでばっさり切ったのだ。理由は新しい人生を始めるという心掛けだけでなく目に見える証明がほしかったから。まぁ元々「髪の毛切ろうかなー」ってふわっと考えてたこともあったからで響ちゃんに言った通り気分でもある。今日は髪をゆるく巻いてカチューシャをした。ヘアセットもメイクもいつもより丁寧に。ええもちろん安室さんに会いに行くからです。そりゃあ気合い入れますよ!

響「長い髪が見慣れてたけど短いのもいいわね。似合ってる。」

流花「えへへ、ありがとー。」

いつものように何てことない話しに花を咲かせていると喫茶ポアロについた。
.....ついに待ち望んでいた時が来た。興奮や期待がなくなり、さっきとは比べ物にならないくらい緊張しているのが分かる。嫌という程に心臓の音が聞こえる。鼓動する度に苦しいくらい胸が締め付けられて冷たさを放つ。頭と体の芯から鋭くて痛い毒が全身に広がっていく感覚がしておかしくなりそう。別に緊張することじゃないって言い聞かせても消えてくれない。響ちゃんに気付かれないよう息を吸う。そしてドアを開けた。カランと可愛らしい音が鳴る。その先に.....

安室さんがいた。彼が私たちに気付き顔を向けて、目が合う。

────初めまして、トリップしてからずっとずっと会いたかったです。

第6話 ファーストエモーション→←第4話 叶えたい願いは



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未来ーミクー(プロフ) - 面白かったです!最初は「読みにくっ」と思いましたが内容は素晴らしかったです!!この調子で更新頑張って下さい。続き待ってます (2020年1月17日 16時) (レス) id: 6e3b9846a0 (このIDを非表示/違反報告)
一ノ瀬花恋(プロフ) - さちさん» めっちゃ嬉しい、読んでくださってありがとうございます!楽しんでいただけて何よりです。更新なるべく早くできるように頑張ります! (2019年10月26日 21時) (レス) id: 8df8383c0e (このIDを非表示/違反報告)
さち - おもしろいです。続きが楽しみです。よろしくお願いします。 (2019年10月26日 20時) (レス) id: 5f335610e5 (このIDを非表示/違反報告)
一ノ瀬花恋(プロフ) - まさるさん» ご指摘ありがとうございます<(_ _)>修正しました! (2019年8月20日 22時) (レス) id: 8df8383c0e (このIDを非表示/違反報告)
まさる - 毛利探偵事務所の住所は、東京都米花市米花町です。東都などという地名はありません。 (2019年8月20日 13時) (レス) id: 7e2c3c7e2b (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:一ノ瀬花恋 | 作成日時:2019年8月17日 5時

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