【名探偵コナン】トリップ娘は推しキャラの顔見知りを目指す【安室透/降谷零】

第4話 叶えたい願いは ページ6

この世界での生活も1週間たった。最初は少し戸惑ったけど記憶があるしすぐに慣れた。大学に友達と元の世界とは違うけど、元の世界と同じように楽しくやってる。

この世界でも元の世界の作品はけっこうある。週刊少年ジャンピングがこちらでもあると知った時は歓喜した。安室さんと同じ世界にいると知った時ほどではないけどね。

そして私はその安室さんに会いに行けてない。友達との予定が合わなかった。なら1人で行けばいいのだろうが無理。だって安室さんを見たら私絶対にやけちゃう。ずっと笑ってると思う。ただの変人なんて安室さんに認識されるのは嫌だ。でも早く会いたい。なんてジレンマを抱えながらこの1週間過ごしていたら昨日、好機が訪れた。

「流花、ポアロって喫茶店知ってる？そこイケメン店員がいるらしいよ！」

ファミレスで少し興奮気味に話してきたのは幼稚園からの幼なじみの佐原響(さはらひびき)ちゃんだ。通う大学は違うが週に1回は会うくらい仲がいい。私はめっちゃにやけそうになるのを堪え自然に笑うことを心掛けながら返す。

流花「聞いたことあるよ。あとそこの喫茶店料理も美味しいんだってね。行ってみたいって思ってたの。」

響「あたしもだよ！ねえ行こうよ、いつ暇？あたし明日と明後日が空いてるんだけど、どう？」

流花「じゃあ明日行っちゃう？流花も空いてるから！」

響「行こ行こ！」

こうして昨日、ポアロに行く約束をしたのだ。今は家でその準備をしている。今日安室さんに会える！安室さんがいなかったら会えないが。それでもこれをきっかけに通えば会えるだろう。そう会えればいい。会って店員と客という関係で話せればいい。

私の安室さんへの好意は恋じゃない。LOVEではなくLIKEというやつだ。だから安室さんと恋人になりたいとは願っていない。そりゃあね、想像しなくもないけど.....。でもこれも叶わないと前提した上でだ。好きな芸能人と本気で付き合いたいと考えないのと同じ。

そもそも彼は「僕の恋人はこの国さ」という名言を残している。それって要するに恋人はいらないという意味も含まれてるって私は勝手に解釈している。仮に恋したとしても叶わない恋となるだろう。仲良くなりたいなんて無茶な高望みもしてない。安室さん.....降谷さんとは住む世界が違うから。現状、文字通りというわけではないけど。

流花「......だから流花は安室さんの顔見知りになりたい。」

同じ世界にいるんだから、これは叶う可能性がある願いでしょ？

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