【名探偵コナン】トリップ娘は推しキャラの顔見知りを目指す【安室透/降谷零】

第42話 ストーカーXは誰か。その10.憤り ページ44

目の前に人影が現れると彼は細道に入り込む。曲がったり回り込んだりして複雑に歩を進め巻いていく。でもこの路地裏に潜んでいるあの連中の仲間が多いのだろう、きりがない。

流花「安室さん、あの人達ってストーカーが.....」

安室「関係してるでしょうね。僕達を逃がしてくれる気はないようです、大人数な上に大通りに出る道が全て塞がれている。ここまで計画的に動いてくるとは。すみません、考えが甘かったです。」

と、不意に安室さんはピタリと止まった。目の前は行き止まりで曲がり道もない。でも安室さんの様子を見るに考えがあるんだろう。そして後ろを振り向くと、夕焼けに照らされてチンピラの男が20人前後こちらに向かってくるのが見えた。リーダー格っぽい男が口を開く。

「金髪野郎、その女置いてとっとと消えろ。」

安室「断る、と言ったら？」

不敵な笑みを浮かべる安室さん。リーダー格の男はククッと笑うと私を見る。

「おい、この金髪の色男が痛い目に遭う前に大人しく俺らについてこい。」

普通に嫌。それに私が言うことを聞いたところでこのチンピラ達が安室さんに危害を加えない保障はない。でも拒否したらどうなるかは明白。いくら安室さんが化け物レベルで強くてもこの数相手じゃ無理がある。だからこの局面でのベターは.....

安室「駄目ですよ、流花さん。」

離さないと言わんばかりに肩に触れる手に力を込められる。とてもじゃないけど振り解けない。
それを見たリーダー格の男は、「やれ。」と指示を出す。安室さんは私を後ろにやると、向かってきた数人の男をあっさり倒した。.....お強い。不謹慎ながら悶えるほどかっこいい。
チンピラ達は怯むことなく安室さんに殴りかかる。細い路地で数の利が生かせておらず、安室さんは難なく制圧していく。これなら━━━━━



ガンッ！！！！！！！！！！

という音と共に私の頭に痛みと衝撃が走り視界が歪む。体を持ち上げられ、抵抗したいが力が入らないし瞼が重い。安室さんが私の方に向かってこようとして近くにいた男に頭を殴られたのが辛うじて見えて、耐えきれず瞼が閉じた。

降谷さんが殴られた。頭を殴られた。大丈夫かな。あいつら何降谷さんのこと殴ってんの、殴りたい。この元凶は私のストーカー.....よくもまあさくちゃんと降谷さんを巻き込んでくれたものだ。ほんっとふざけないでほしい。それに依頼って形にしたとはいえ降谷さんのこと巻き込んで怪我をさせてしまった。私は何も出来なかった。最悪。

.....あーむかつく。ストーカーもあいつらも私も。降谷さんを怪我させた要因全てがむかつく。

第43話 ストーカーXは誰か。 その11.拙劣→←第41話 ストーカーXは誰か。その9.にわか

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す