【名探偵コナン】トリップ娘は推しキャラの顔見知りを目指す【安室透/降谷零】

第3話 おはよう、異世界3 ページ5

ここが名探偵コナンの世界と気付いた瞬間にこの世界での記憶が流れ込んできた。朧気な母親との記憶、祖父母と生活した穏やかな日々、大切な友人たちと何でもないことで笑いあって過ごした時間。もちろん楽しいことだけでなく辛かったこと悲しかったこともたくさんある。

流花「まあ生育歴だけでも割とハードな人生送ってるもんな私」

なんて客観的に自分を見つめてみたり。元の世界の記憶もあるから混乱しそうになったけど、大丈夫。どっちが偽物とかなんてない。どっちも私の記憶であり人生であり本物で大切な私の宝だ。大事にしていこう。

記憶と気持ちの整理がついたところで改めてここが名探偵コナンの世界であると考えて当然私は

流花「安室さんがいる世界だ。流花、安室さんと同じ世界で生きてるんだ。会いたい話したい。」

もう安室さんへの思いが止まらずにやけてしまう。あーやばい、この状況が尊すぎてやばい死にそう。いや生きるけど。
スマホで喫茶店ポアロと検索すると最新でイケメン店員がいるという情報がたくさんある。くわしい物語の時間軸は分からないけど少なくともウェディングイブ編後で黒の組織との決着はついてないだろう。

ここで1つ問題が出てくる。私は降谷零という人間(キャラクター)のことを某pediaとかで調べたからそこそこ知ってるつもりだ。ポアロの喫茶探偵の安室透、黒の組織の探り屋バーボン、そしてその正体は警察庁警備局警備企画課、通称ゼロに所属する降谷零。原作やアニメで明かされている彼の過去や赤井秀一との因縁のことも大体。映画の純黒の悪夢とゼロの執行人、スピンオフのゼロの日常も何度も見た。

でも私は原作、アニメをほぼ見てない。見る前にトリップしてしまったのだ。名探偵コナンの話や設定、安室さんが出てくる話しの内容と結末は大雑把に知っているが見てないのだ。
でも大丈夫。ある程度知っているんだから対応できなくはない。それに被害者フラグを建設しないよう警戒心を持てばいいだけの話しだ。コナン系夢小説にある登場人物から疑われるなんてことが万が一あっても問題ない。見た目モブだし、やましいこともしてないし必要以上に見られることはないはず。そもそも知られて困ること何もないもん。なんて思考もフラグになりうることも重々承知している。油断せず楽しんで生きよう。

ベランダに出て目の前に広がる景色を見てこの世界での初めての朝を感じた。私にとって新しい人生が始まる。

流花「おはよう、異世界。」

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