第34話 ストーカーXは誰か。その2.有効範囲 ページ36
目に映るのは同じ大学で同期の男性。名前は城山さとし。ただの同期なら何とも思わないが。
ここ数週間、大学内で彼はこちらをじっと見ているのだ。最も彼が見ているのはさくちゃんだけ。彼女といる時だけ城山君はこちらをじっと見つめてきて、たまにこそこそと着いてくる。目が合うとすぐに目をそらすか逃亡するが。
実害はないしさくちゃんが気になるか好きなのだろうと考え杞憂だと思いつつ気を付けてはいたが。もしかしてストーカーに発展を?と考えていると、急に一つ結びにしていた毛先を触られてびくりとする。犯人は心配顔のさくちゃんで。
咲良「どしたの流花ちゃん?大丈夫?悩みごと?」
流花「えっ、いや、何でもないよ、気にしないで。」
実はあなたに想いを寄せているであろう人物にストーカー疑惑があってね。なんて言えるはずもない。彼女が言葉を発する前に
安室「三橋さんは西森太一のファンなんですね。」
女性客を虜にするイケメン店員、安室さんが介入してきた。
咲良「っ安室さん!は、はい、ファンです!」
安室「僕も少し憧れてて。あと梓さんも西森太一の大ファンなんですよ。テレビを見ていた三橋さんを見て仲間がいたと喜んでました。」
ちょっと待ってこの流れは。
咲良「ほんとですか!?めっちゃ嬉しい!流花ちゃん私梓さんと西森君について熱い話をして来る!」
流花「え、待って。流花も.....」
立ち上がろうとしたが叶わなかった。何故って安室さんに上から肩を押さえられたから。
安室「流花さんは僕とお話しましょうか。」
安室さんの行動と言葉に素直に胸きゅんできないこの状況が恨めしい。てゆうか現状何も起こってないよ?ちょっと怪しいかも、なだけ。ノープロブレム。
流花「あの、安室さん。私もさくちゃん達と...」
安室「へえ。じゃあ西森太一が好きなん.....」
流花「好きじゃないです。全然タイプじゃないですあの人。やめてください。」
反射的に完全否定した瞬間、後悔したが後の祭り。そんな私にふわりと笑みを浮かべた安室さん。一見爽やかなその笑みは、有無を言わせない笑みでした。もちろん素敵なご尊顔だし彼は相変わらず燦然と輝いている。
安室「流花さん、僕との約束覚えてますか?」
その言葉に疑惑が出た時点で約束は有効なのかと理解すると同時に安室さんに迷惑をかけた罪悪感が押し寄せる。忘れるわけないし安室さんとの約束を破るなんてするわけない。きっとこの思考も彼の思い通りなわけで。最も気付いたところで関係ない、私の気持ちは変わらない。
結果、洗いざらい吐かされました。
第35話 ストーカーXは誰か。その3.対談→←第33話 ストーカーXは誰か。その1.幕開け
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未来ーミクー(プロフ) - 面白かったです!最初は「読みにくっ」と思いましたが内容は素晴らしかったです!!この調子で更新頑張って下さい。続き待ってます (2020年1月17日 16時) (レス) id: 6e3b9846a0 (このIDを非表示/違反報告)
一ノ瀬花恋(プロフ) - さちさん» めっちゃ嬉しい、読んでくださってありがとうございます!楽しんでいただけて何よりです。更新なるべく早くできるように頑張ります! (2019年10月26日 21時) (レス) id: 8df8383c0e (このIDを非表示/違反報告)
さち - おもしろいです。続きが楽しみです。よろしくお願いします。 (2019年10月26日 20時) (レス) id: 5f335610e5 (このIDを非表示/違反報告)
一ノ瀬花恋(プロフ) - まさるさん» ご指摘ありがとうございます<(_ _)>修正しました! (2019年8月20日 22時) (レス) id: 8df8383c0e (このIDを非表示/違反報告)
まさる - 毛利探偵事務所の住所は、東京都米花市米花町です。東都などという地名はありません。 (2019年8月20日 13時) (レス) id: 7e2c3c7e2b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:一ノ瀬花恋 | 作成日時:2019年8月17日 5時