第32話 糖分過多なひとときを ページ34
安室「お待たせしました、ハムサンドとレモンティーでございます。」
流花「ありがとうございます安室さん!」
安室「どういたしまして。」
安室さんは爽やかに笑った。美しいにも程がある笑みに目眩がする。甘さでいっぱいになって溺れそう。安室さんはラグドゥネームそのものだ。
騒動の数日後、私はポアロ来ていた。別れ際、安室さんに「また今度ポアロに来てください」とお誘い頂いたのだ。
よかった、出禁にならなくて。そうなってたら絶望は免れなかった。また安室さんに会うことが出来て嬉しい。
そしてやっとあの夢にまで見た安室さんの手作りハムサンドが食べられる。そう、安室さん手作りの。
いただきます、と言ってハムサンドを口に入れ咀嚼する。
流花「.....美味しい。」
安室「そう言ってもらると嬉しいです。」
ほんと美味しい。美味しすぎて語彙力なくなる。食べられてよかった、ああもう幸せ。
幸福に浸りながらハムサンドを食べているとふと視線を感じた。
流花「.....何か?」
安室「ああ、すみません。流花さんがあまりにも美味しそうに食べてくれているので.....思わず見入ってしまって。作った甲斐があります。」
そんなキザな台詞を何の含みも感じさせず言えるなんてイケメンですかあなたは。いやイケメンだった。
流花「ごちそうさまです。」
安室「お粗末さまでした。」
安室さんは食器を下げてくれる。
安室「そういえば流花さん、今日は髪型ストレートなんですね。」
流花「あ、はい。気分で。」
安室「雰囲気けっこう変わるなぁと思って。」
安室さんに変化に気付いてもらえて尚且つ言ってもらえるのはとても嬉しい。と、同時に突っ込まれたということはおかしいのかと不安になる。
流花「.....変です?」
あ、やばい。困らせる質問をしちゃった。訂正しようとする前に安室さんは淀みも濁りもない笑みで間髪を入れず答える。
安室「まさか。似合ってますよ。先日の髪型も今日の髪型も。」
彼の心境なんて分からないけどその言葉だけで有頂天になる。甘さの許容範囲はとっくに超えているのに更なる甘味の投入。緊急事態。対処不可能。
安室さんは暗い夜空を照らす、煌々たる月のようだ。比喩ではなくきらきらと綺麗な光が見える私は重症だ。終末期だな。
流花「.....安室さんは髪の毛サラサラでいいなぁ。羨ましいです。」
安室「そうですか?ありがとうございます。」
露骨に話しを逸らす私に彼は合わせてくれる。ポアロが混雑するまで会話は続いた。
今日、安室さんと過ごした時間はひどく夢心地だった。
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未来ーミクー(プロフ) - 面白かったです!最初は「読みにくっ」と思いましたが内容は素晴らしかったです!!この調子で更新頑張って下さい。続き待ってます (2020年1月17日 16時) (レス) id: 6e3b9846a0 (このIDを非表示/違反報告)
一ノ瀬花恋(プロフ) - さちさん» めっちゃ嬉しい、読んでくださってありがとうございます!楽しんでいただけて何よりです。更新なるべく早くできるように頑張ります! (2019年10月26日 21時) (レス) id: 8df8383c0e (このIDを非表示/違反報告)
さち - おもしろいです。続きが楽しみです。よろしくお願いします。 (2019年10月26日 20時) (レス) id: 5f335610e5 (このIDを非表示/違反報告)
一ノ瀬花恋(プロフ) - まさるさん» ご指摘ありがとうございます<(_ _)>修正しました! (2019年8月20日 22時) (レス) id: 8df8383c0e (このIDを非表示/違反報告)
まさる - 毛利探偵事務所の住所は、東京都米花市米花町です。東都などという地名はありません。 (2019年8月20日 13時) (レス) id: 7e2c3c7e2b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:一ノ瀬花恋 | 作成日時:2019年8月17日 5時