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岸side
『…軽いやつでお願いします』
キスするのはいいんだ、と高揚した俺は、抱きつくAを無理やり剥がして
もう一度、目を閉じたAに優しく口付けを落とす。
柔らかいAの唇は、さっきのAの言葉なんて最初から聞こえていなかったかのように俺を興奮させる。
一瞬唇を離して、今度は食むように何度も重ねると
それに驚いたのかトントンと俺の胸を叩いて離すように訴えかけているA。
そんなことしたって、可愛いだけなのに。
キスを続けながら、肩に置いていた手をAの後頭部に回して固定させると
抵抗していた手はキュッと俺の服を掴んで、俺の唇を受け入れてくれた。
「A、口開けて。舌出して」
すでにトロンとした目のAが可愛いすぎて、理性なんてどこにもなくなった俺は
Aの顎を掴んで、口を開けるように促す。
それでも首を横にブンブンと振るAが、ぷいっと顔を背けた。
.
『……無理』
「なーんで」
『これ以上はもう、……心臓もたないっ…』
顔を赤くさせたAの目が潤んでいて、俺の理性がちょっと戻ってくる。
短時間で何回抱き締めんだって感じだけど、その華奢な肩を再び引き寄せて、頭を優しく撫でると
首もとに、は〜っと小さく息がかかった。
『……ごめんね、…もっと優太くんに免疫つけられるように頑張る。優太くんかっこよすぎるから、ちょっとまだ…慣れなくて』
「可愛いこと言うね。けどさ、そういうのって経験してかないと慣れないから。俺のことニンジンだと思って、もっかいしてみる？」
『そんなかっこいいニンジンいない』
ちょっと意地悪で言ってみたけど、Aの真面目なトーンの返しに、おもしろいような嬉しいような、変な気持ちになる。
本当はもう何回でもキスしたいくらいだけど、ここでAの気持ちを無視するのは、俺の道徳に反することだから、おとなしく引き下がろう。
『あっ、年越しそば！つくるね！』
俺の腕からするっと逃げ出したAは、急ぎ足でキッチンへ向かう。
熱い、なんて言いながらパタパタと手で顔を仰いでいるAを見たら、自然と頬が緩んで、つくづく幸せだな〜と思った。
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hinata(プロフ) - すかいさん» お読みいただきありがとうございます！岸くんのお世話係ですのほうでもコメントくださって、とても感激しております…！ 更新は停滞しておりますが、他作品でも機会があればよろしくお願いいたします！ (2020年3月14日 11時) (
レス) id: ef05115d0f (このIDを非表示/違反報告)
すかい - コメント失礼します！とても素敵な作品で、読んでいた幸せな気持ちになりました。ありがとうございました^ - ^ (2020年3月14日 2時) (レス) id: c9cd880fe4 (このIDを非表示/違反報告)
hinata(プロフ) - ぷーちゃんさん» はじめまして！うわぁありがとうございますっ！！読んでいただいてる人が情景を浮かべられるように書くのを心がけていたので、そう言っていただけると嬉しいです(T^T)最後までありがとうございました！！ (2019年8月25日 2時) (レス) id: 3e3d9afca9 (このIDを非表示/違反報告)
ぷーちゃん(プロフ) - 初めまして、岸くんも廉くんもかっこよすぎて平野担なのに恋しそうでした‥笑 とても読みやすく背景が想像出来るような内容でとても楽しかったです！！ (2019年8月21日 18時) (レス) id: f5805a4cc2 (このIDを非表示/違反報告)
hinata(プロフ) - ゆかさん» ありがとうございます(T^T) 私の作品が好きだと言っていただけることが何より嬉しいです！！新作ができた時には、またぜひよろしくお願いします！！ (2019年8月11日 0時) (レス) id: e06037eac2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：hinata
| 作成日時：2019年4月22日 17時
