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優太くんの驚いた声にびっくりして、優太くんを見ると
目をまるくさせた後、頭を抱えて悩み出した。
「ちょっと待って。……あのとき、でしょ?……ん〜?」
キスをしたという記憶はないようで、思い返すように、う〜んと唸っている。
それを見たらもう、優太くんを疑う気持ちなんて
どこにもなくなっていて
それよりも、はやく優太くんに触れたい、とさえ思ってしまう。
「あ!!!」
優太くんの大きな声に、また驚いてしまう。
何か思い出したようで、目をくりっと大きくさせて私をまっすぐに見た。
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「あのね、たぶんなんだけど、…あんとき、風で砂埃が舞ったの。で、目にゴミ入っちゃって、和花ちゃん?に見てもらった、っていうことはあった。そのあと、酔っ払いに迎え行かれても彼女困るから戻るよ!って言われて、店に戻ったんだよなぁ。……そのこと、…かな…?」
『………そんな漫画みたいなこと、しないでよ〜…』
思い返せば、風で砂埃が飛ばされていた。
そのあとに、優太くんと和花ちゃんが目線を合わせてたんだっけ。
優太くんの話を聞いたら、あんなに顔の距離を縮めていた理由は正当な気がして。
ただただ、勝手に勘違いをして、優太くんに当たってしまった申し訳なさがとてつもなく募り始める。
『優太くん、ごめん。……完全に私の勘違い。…勝手に変な想像しちゃって、優太くん何も悪くないのに…』
「いや、俺が悪いよ」
『なんでよ、私が勝手に怒ってたんだよ?』
「けど俺、前Aにさ、酔っ払ってたって他のやつに触らせるなとか言ってたのに。……自分のこと棚に上げてた。俺あのとき、和花ちゃんにめっちゃ支えられてた、よね?」
記憶が曖昧なのか、確かめるように私に同意を求めるから
素直に頷いてみると、ほんとごめん、とシュンと小さくなる優太くん。
『和花ちゃんと密着して、ヤラシーこと考えてないよね?』
「!?…ないない!!!!」
『優太くん前に、密着すると男はみんなヤラシーこと考えるんだよって言ってた』
「うぇ!?それは、好きな人と触れてたらだってば!」
慌てる優太くんがおもしろくて、耐えられず笑ってしまうと
優太くんは背中を丸めて項垂れた。
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hinata(プロフ) - すかいさん» お読みいただきありがとうございます!岸くんのお世話係ですのほうでもコメントくださって、とても感激しております…! 更新は停滞しておりますが、他作品でも機会があればよろしくお願いいたします! (2020年3月14日 11時) (レス) id: ef05115d0f (このIDを非表示/違反報告)
すかい - コメント失礼します!とても素敵な作品で、読んでいた幸せな気持ちになりました。ありがとうございました^ - ^ (2020年3月14日 2時) (レス) id: c9cd880fe4 (このIDを非表示/違反報告)
hinata(プロフ) - ぷーちゃんさん» はじめまして!うわぁありがとうございますっ!!読んでいただいてる人が情景を浮かべられるように書くのを心がけていたので、そう言っていただけると嬉しいです(T^T)最後までありがとうございました!! (2019年8月25日 2時) (レス) id: 3e3d9afca9 (このIDを非表示/違反報告)
ぷーちゃん(プロフ) - 初めまして、岸くんも廉くんもかっこよすぎて平野担なのに恋しそうでした‥笑 とても読みやすく背景が想像出来るような内容でとても楽しかったです!! (2019年8月21日 18時) (レス) id: f5805a4cc2 (このIDを非表示/違反報告)
hinata(プロフ) - ゆかさん» ありがとうございます(T^T) 私の作品が好きだと言っていただけることが何より嬉しいです!!新作ができた時には、またぜひよろしくお願いします!! (2019年8月11日 0時) (レス) id: e06037eac2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:hinata | 作成日時:2019年4月22日 17時