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『いつもありがとね、いいとこ連れてってもらっちゃって』
「なんやねん急に。こわいわ笑」
『だって廉くんと来るとこ、いつも素敵なところだし』
「じゃあ、いい思い出になるな」
『思い出？…うん、まぁそうかも』
緊張していた気持ちも、廉くんのいつもの様子で、すっかり和らいでいた。
人付き合いが上手い人って、きっとこういうところが上手なんだろうな、なんて思う。
「ちょっと寄りたいとこあるねんけど、まだ時間ある？」
ご飯を食べ終えて、一息ついた頃、廉くんが時計を見ながら言う。
『うん、大丈夫だけど』
そう返したら、廉くんはさっと立ち上がり、店外へと出る。
お金はすでに払ってくれていたみたいで、そのスマートさに感動しながらも、お札を差し出す私の手をいつものごとく拒否された。
スタスタと歩き出した廉くんの背中を追って、どこに行くの？と問えば、内緒、と返ってきた。
黙ってついて行くと、道筋は私たちの働く会社と同じだ。
『……え、廉くん？』
着いた先は、私たちの会社の挙式をする教会。
扉に手をかける廉くんに、さすがに開いてないよ、と口にするけど、重い扉がギーッと音を立てて開いた。
「……実はな、内緒で開けといた笑」
『え、見つかったらやばくない？』
「大丈夫やって。俺ら部外者じゃないし」
扉の中に入っていく廉くんに、躊躇しながらも続けて入る。
誰もいない、見慣れた教会は、場所が場所だから神聖な空気に包まれているような感じだ。
『廉くん、なんでここ？』
「一回入ってみたかったんよ、誰もいないときに」
相変わらず自由だな、なんて思いながら
前から3列目に座る廉くんに促されて、その隣に座る。
だけど、こんなこと今までなかったから
廉くんが何を考えているのかわからなくて
緊張しているせいか、いつもなら出てくる世間話も、何も思い浮かばない。
『さ、寒くない？』
「あっためてあげよーか？」
『そういうことじゃないっ…』
ははっと豪快に笑うけど、その表情はどこか切なく感じる。
じっと瞳を見れば、奥に渦巻く廉くんの感情に気付いてしまいそう。
パッと下を向いて、顔を伏せる廉くんが声を発した。
「そろそろ、待ちくたびれたわ〜」
『……え？』
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hinata(プロフ) - Ｓさん» いつもありがとうございます！続編でも可愛い岸くん目指して頑張りますので、よろしくお願いします！！ (2019年4月23日 0時) (
レス) id: e9f610ebf6 (このIDを非表示/違反報告)
hinata(プロフ) - まいやんさん» ありがとうございます！うわ〜そんなこと言っていただけるなんて！！感無量です(T-T)続編でもよろしくお願いします！ (2019年4月23日 0時) (レス) id: e9f610ebf6 (このIDを非表示/違反報告)
hinata(プロフ) - みきさん» ありがとうございます！！続編希望嬉しい！今後もよろしくお願いします！ (2019年4月23日 0時) (レス) id: e9f610ebf6 (このIDを非表示/違反報告)
hinata(プロフ) - えりさん» ありがとうございます！読み返していただけていたなんて、それは本当に嬉しすぎます！！続編でもよろしくお願いします！ (2019年4月23日 0時) (レス) id: e9f610ebf6 (このIDを非表示/違反報告)
hinata(プロフ) - みんみんさん» ありがとうございます！続編でもキュンキュンしていただけるよう岸くんに頑張ってもらいます！！笑 (2019年4月23日 0時) (レス) id: e9f610ebf6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：hinata
| 作成日時：2019年4月11日 11時
