love attack 2 -Yuta.K-

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お昼から出かけていたけど、時間はあっという間で
冬のせいもあって、夕方になるとすぐに空は暗くなる。






夜ご飯はそこからすぐ近くの、廉くんが予約してくれていたお洒落な居酒屋さんに入った。

いかにも廉くんが選びそうなお店だ。




店員さんに半個室のような座席に通されて、お酒とおつまみを注文する。



さっきまで、かなり食べ歩きをしていたから

お腹もそこまで空いていなくて


だからこそ、居酒屋というチョイスはさすが廉くんだ。







『ちょっと食べ過ぎたね〜』




「ほんま。Aちゃんは食い過ぎやと思うよ？太るんちゃう？」




『大きなお世話です〜！』




「でも、Aちゃんの違う一面見れた気するわ」




『違う一面？』




テーブルに肘をついて手を頬に乗せる、可愛い女の子かアイドルがやるような仕草も様になってしまう。




「あんな、はしゃぐAちゃん見れるのレアやろ？」




『そうかな？』




「お〜、可愛かったわ」






まるでペットにでも言うかのように、さらっと落ちる言葉に

ドキッとしたのを隠しきれず動揺してしまうと

目の前にはニヤッと笑う顔。






「Aちゃんは素直で可愛いなぁ」




『ちょっと…面白がってるでしょ』




「ははっ、バレた？笑。でも、本音やよ」







赤面する私を助けてくれるようなタイミングで店員さんが注文品を持ってきてくれた。



ほっと一息している私を

満足げにじっと見つめている人がいたけど

とりあえず無視を決め込んでおく。







「ほんじゃ、乾杯しようか」



『う、うん。乾杯』





ビールを喉に流し込んで、潤わせると
CMばりの声が自然と出る。



次々と運ばれてくるおつまみをちょこちょことつまみながら廉くんをチラッと盗み見ると、どの瞬間を切り抜いても整った顔だな〜なんて感心した。









不意に、バッグに閉まっていた携帯が鳴り出した。




その音は、電話の着信音で

まだ夜も深くない時間だから、何も疑問に思わず携帯を手に取ると、


画面に表示されていたのは、









“岸優太”の名前





その文字にドキ、と胸が鳴って




だけど、廉くんを目の前に電話に出るのも

席を外してまで電話に出るのも

どうなんだろうか、なんて考えてしまう。






携帯を眺めたまま、固まる私に





「出ないん？」





と普通に疑問を持たれてしまった。

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