81 ページ36
.
「アルバム、どっち先見る？」
『優太くんの先見たい！』
いいよ、とカバーが取られた赤い冊子。
知らない高校の名前の表紙をペラッとめくっていくと、ひとりひとりが載るクラス写真。
『優太くんは〜…あ、あった！え、可愛い！』
今よりも幼い、けど、さすが顔のかっこよさは誰にも負けていない。
前に結婚式の時のスクリーンで昔の優太くんを見たことがあったけど、改めて見てもドキッと胸が鳴ってしまう。
ペラペラとめくっていくと、体育祭や文化祭、修学旅行の写真。
さまざまなところに優太くんは写っていて、そのどれもがたくさんの友達に囲まれていた。
「懐かしいな〜、俺イベント事めっちゃ好きだった」
『うん、そんな感じするもん』
マジ？と言う優太くんはさっきから何度もプリンを私に食べさせたり、自分で食べたり。
何回でも慣れないけど、私の口にスプーンを運ぶたび
眉をあげて目をくりっとさせる優太くんにドキドキするから、そのまま口を開けちゃうんだ。
「うわっ、修学旅行、懐かしい〜」
やっぱり人望厚いな〜なんて思っていると
ひとつの写真が目に入る。
それは、女の子と腕を組んでいる写真。
周りにも友達と思われる人は一緒に写っていたけれど、私の目はふたりだけにピントが合ってしまう。
もう一度、他の写真を見返すと、その女の子はいつでも優太くんと一緒にいて
もしかして元カノなのかな、とチクッと胸が痛んだ。
「どした？」
思わず眉を潜めたのを優太くんに見られてしまったようで、どうしようかと焦るけど
うずうずした気持ちのまま帰りたくないな、と思ってしまう。
『この子って、………高校のときの彼女？』
「え？あ、違う違う！！ただの友達！！クラスメイト！！」
なんで優太くんがそんなに慌ててるんだろうって思うのと
あからさまにほっとしている私も
どっちにしろ過去のことなのに、いっちょ前にヤキモチなんて焼いてるのか、なんて思ったら面白くて笑ってしまった。
.
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 1623人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
hinata(プロフ) - Ｓさん» いつもありがとうございます！続編でも可愛い岸くん目指して頑張りますので、よろしくお願いします！！ (2019年4月23日 0時) (
レス) id: e9f610ebf6 (このIDを非表示/違反報告)
hinata(プロフ) - まいやんさん» ありがとうございます！うわ〜そんなこと言っていただけるなんて！！感無量です(T-T)続編でもよろしくお願いします！ (2019年4月23日 0時) (レス) id: e9f610ebf6 (このIDを非表示/違反報告)
hinata(プロフ) - みきさん» ありがとうございます！！続編希望嬉しい！今後もよろしくお願いします！ (2019年4月23日 0時) (レス) id: e9f610ebf6 (このIDを非表示/違反報告)
hinata(プロフ) - えりさん» ありがとうございます！読み返していただけていたなんて、それは本当に嬉しすぎます！！続編でもよろしくお願いします！ (2019年4月23日 0時) (レス) id: e9f610ebf6 (このIDを非表示/違反報告)
hinata(プロフ) - みんみんさん» ありがとうございます！続編でもキュンキュンしていただけるよう岸くんに頑張ってもらいます！！笑 (2019年4月23日 0時) (レス) id: e9f610ebf6 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：hinata
| 作成日時：2019年4月11日 11時
