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「岸くん〜俺のAさんに手出さないでよ〜」
急に玄樹くんにギュッと手を繋がれるから驚くけど、その姿が母親に甘えた子供のように見えてふふっと笑ってしまう。
「え、いわげんと付き合ってる感じ??」
「付き合ってなくても俺のAさん!」
玄樹くんはニコーッといつもの笑顔で言い慣れているかのよう。
「じゃ、じゃあAさんは付き合ってる人いるんですか?」
「いない、いない!大募集中です!」
覚え立ての私の名前にさん付けで話す岸さんの問いかけにすかさず何故か翠が答える。
そんな、飢えてます、みたいな言い方しなくてもいいじゃん、と翠を睨んだ。
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「じゃあ俺、立候補していいっすか!」
突然に放たれた彼の言葉に耳を疑う。
「え、なに岸くん、Aさんのこと好きなの?」
私が聞きたいことを代弁してくれるかのように、玄樹くんが問う。
そうすると、岸くんは照れた様子もなく口を開いた。
「一目惚れしました!」
こんな堂々と宣言をする人なんていないから、本当にそう思っているのか疑問で、初めて声をかけられたときに感じたドキドキはなかった。
彼の端正な顔立ちから、遊び感覚なんだろう、という偏見が生まれてしまう。
「岸くんそれまじで言ってんの?」
「マジだけど?ここで言っといたほうが出遅れないでいいっしょ!ってか、いわげんは参加してくんなよ?」
私を置いてけぼりにして進んでいく会話。
翠に助けを求めようと顔を見るけど、他人事みたいにしながら親指を立てて私に笑いかけた。
「いいじゃん、連絡先くらい交換しとけば?」
乗っかる翠は、面白がっているようで、もう助けてはくれないと気付く。
そういえば、こういう人だったわ…
岸さんの熱い視線に戸惑っていると、玄樹くんが見かねて、
「ダメ!もう岸くん行くよ!」
と、引っ張るように岸さんをつれて席へと戻っていった。
「あら、残念。せっかくのチャンスだったのに」
『どうみたって冗談じゃん、あんな告り方…』
「そう?でも遊びだっていいじゃん、イケメンだし。出会いは出会いだよ」
翠の思考は私には理解できない。
遠くから感じる彼の視線にも気付いていないフリをして、二次会が終わると逃げるように会場を後にした。
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hinata(プロフ) - みずきさん» 岸くんらしさを意識して書いていたので、そう言っていただけると、とっても嬉しい(>_<)!ありがとうございます!! (2019年4月14日 0時) (レス) id: e7607b97b4 (このIDを非表示/違反報告)
みずき(プロフ) - 岸くんが岸くんすぎて!!!好きです (2019年4月13日 23時) (レス) id: 8a2a6974ea (このIDを非表示/違反報告)
hinata(プロフ) - Sさん» 私ももう少し続けたいなと思ってます!大好きなんて嬉しすぎます!!ありがとうございますっ(T-T) (2019年4月11日 0時) (レス) id: e9f610ebf6 (このIDを非表示/違反報告)
S(プロフ) - もうちょっとで終わってしまいますか?(;_;)このお話大好きなので寂しいです、、、。廉くんにも岸くんにも頑張って欲しいです。 (2019年4月10日 17時) (レス) id: 123949a422 (このIDを非表示/違反報告)
hinata(プロフ) - ひかるさん» やっぱり(> <)!イケメンにそれやられたらやばいです!笑 (2019年4月10日 17時) (レス) id: e9f610ebf6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:hinata | 作成日時:2019年3月29日 20時