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彼の綺麗な手に握られていたのは、小さな紙の切れ端。
『……へ？』
「…俺の…連絡先、なんですけど」
小声で言われた言葉を飲み込むと、動揺してキョロキョロと不自然に目を泳がせてしまう。
こういうときはどうするべきなのか、と働かない頭で一生懸命考えていると、
近くのテーブルにいた廉くんと視線がぶつかったと思えば、ギロッと睨むような目。
その冷ややかな目でグッと正気に戻る。
『あ、…ご、ごめんなさい。こういうのはちょっと…受け取れなくて』
「あ…そうっすよね！！変なことしてすみません！気にしないでください！！」
そう言う彼は、目元に思いっきり皺をつくって笑いかけてくれる。
その笑顔を見たら、あぁ受け取りたかったな、なんて邪念が少しだけ。
頭を下げ、足早にその場から立ち去った。
披露宴が終了し、ぞろぞろとゲストが帰っていく。
全員会場から出たのを確認すれば、早速片付けに取りかかる。
「なに仕事中にナンパされてんねん」
『別にナンパじゃないし』
冷たく私に言う廉くんに背を向けながら手を動かし、片付けを進める。
「相手がイケメンやからって調子乗ってんちゃう？」
『はあ？？なんで廉くんにそんなこと言われなきゃいけないのよ』
年下から放たれる容赦ない言葉に、単純に乗っかってしまう。
ダメだ、もっと大人にならなきゃ
『いや、…ごめん。廉くんのおかげで断れたよ、ありがとう』
そう言えば、怒っていた廉くんもコロッと笑顔に戻る。
ほんとそういうとこは素直なのに。
「わかってるならええねん」
満足した顔で器用にグラスや皿を腕に抱え、キッチンへと歩いて行った。
っていうか、そんな怒るほど、仕事熱心だったんだ。
確かに、廉くんが席次表で名前を確認したところで、可愛いと言っていた子に対して声をかけている姿を見たこともなかったし、聞いたこともない。
私も見習わなくちゃ、なんて感心する。
アルバイトの子から学ぶなんて私もまだまだだ。
きっとさっきの人もただの暇つぶしであんなことをしたんだろう。
まんまと乗っかってしまいそうになるなんて、私もバカだ。
あの人、綺麗だとか連絡先渡すとか、どんだけチャラいんだろう
もう会うこともないだろう彼に勝手に腹が立っていた。
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hinata(プロフ) - みずきさん» 岸くんらしさを意識して書いていたので、そう言っていただけると、とっても嬉しい(>_<)！ありがとうございます！！ (2019年4月14日 0時) (
レス) id: e7607b97b4 (このIDを非表示/違反報告)
みずき(プロフ) - 岸くんが岸くんすぎて！！！好きです (2019年4月13日 23時) (レス) id: 8a2a6974ea (このIDを非表示/違反報告)
hinata(プロフ) - Ｓさん» 私ももう少し続けたいなと思ってます！大好きなんて嬉しすぎます！！ありがとうございますっ(T-T) (2019年4月11日 0時) (レス) id: e9f610ebf6 (このIDを非表示/違反報告)
Ｓ(プロフ) - もうちょっとで終わってしまいますか？（；＿；）このお話大好きなので寂しいです、、、。廉くんにも岸くんにも頑張って欲しいです。 (2019年4月10日 17時) (レス) id: 123949a422 (このIDを非表示/違反報告)
hinata(プロフ) - ひかるさん» やっぱり(> <)！イケメンにそれやられたらやばいです！笑 (2019年4月10日 17時) (レス) id: e9f610ebf6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：hinata
| 作成日時：2019年3月29日 20時
