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ドクドクと鳴り続ける胸はさらに激しくなる。
そんな私を気にせず、岸さんは言葉を続けた。
「化粧してると、綺麗って感じっすけど、…すっぴんだとちょっと幼くなって、…やばい、くらい可愛いっす」
『…なっ…!』
いたたまれなくなるけど、どうすることもできず、
きっと真っ赤であろう顔を両手で覆って隠した。
『…そんなこと言われたら……心臓に…悪い、です』
「えっ、すいません!!……でも、嘘、ついてないっす…ってか、Aさんだって、」
岸さんが言葉に詰まったのを不思議に思って手を目の下にずらす。
「Aさんだって、俺の……笑顔、好き、とか…言うから、…お互い様です、よ」
『……あ、……あれは、』
タクシーに乗っているとき、思わず出た言葉。
酔ってるせいで言ってしまったのを今さら後悔する。
「え、嘘…ですか?」
上目遣いの岸さんと目が合う。
瞳をゆらゆらと揺らしながらもしっかりと交わる視線がとても熱い。
『……嘘、じゃないです』
酔っていたからこそ、本音が出てしまったんだ。
岸さんは、また無自覚のように
私の、好き、な笑顔になっていた。
「…じゃっ、俺も風呂行きますね。寝室、隣の部屋なんでベッド使ってください。俺ソファで寝るんで。先寝ててくださいね」
私が返す言葉を与える暇もなく、スタスタと歩いて行ってしまった。
さっきの余韻でドキドキした気持ちは治まらず、眠気なんて吹っ飛んでしまっていて。
先に寝ちゃうのも失礼すぎるし、岸さん来るまで待ってようかな、なんて思ってソファへと腰掛けた。
岸さんが付けっぱなしにしていたテレビをなんとなく見ながら、キョロキョロと辺りを見渡す。
男の子の部屋だな〜って意識をすると
さらに心臓の音は大きくなっていく。
なんで私、こんな状況になってんだろう
岸さんにも変なこと言っちゃったし
岸さんとご飯に行く前の気持ちとは全然違っていて、かなり自分でも驚く。
もう全部、お酒のせいにしちゃおう。
そうするしか、自分の言動を正当化させる理由がなかった。
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hinata(プロフ) - みずきさん» 岸くんらしさを意識して書いていたので、そう言っていただけると、とっても嬉しい(>_<)!ありがとうございます!! (2019年4月14日 0時) (レス) id: e7607b97b4 (このIDを非表示/違反報告)
みずき(プロフ) - 岸くんが岸くんすぎて!!!好きです (2019年4月13日 23時) (レス) id: 8a2a6974ea (このIDを非表示/違反報告)
hinata(プロフ) - Sさん» 私ももう少し続けたいなと思ってます!大好きなんて嬉しすぎます!!ありがとうございますっ(T-T) (2019年4月11日 0時) (レス) id: e9f610ebf6 (このIDを非表示/違反報告)
S(プロフ) - もうちょっとで終わってしまいますか?(;_;)このお話大好きなので寂しいです、、、。廉くんにも岸くんにも頑張って欲しいです。 (2019年4月10日 17時) (レス) id: 123949a422 (このIDを非表示/違反報告)
hinata(プロフ) - ひかるさん» やっぱり(> <)!イケメンにそれやられたらやばいです!笑 (2019年4月10日 17時) (レス) id: e9f610ebf6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:hinata | 作成日時:2019年3月29日 20時