love attack 1 -Yuta.K-

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「ね〜、岸さんだっけ？とは、どうなったの？」



『全然、どうにもない』





岸さんと連絡先を交換してから3ヶ月。

彼とのメッセージのやり取りはまだスクロールをする必要もないほどの量だった。







最初は、連絡先を交換した日。


岸です！これからもよろしくお願いします！！

という一言に、同じような文言を返しただけ。







2回目はそれから1ヶ月くらい経ったある日。


こんばんは！最近寒くなりましたね！！

なんて手紙の前文みたいなメッセージから2回くらい返すだけのやりとりをした。







それからまた1ヶ月経った先日。


こんばんは！！今日も寒いっすね！！

前とほぼ変わらない文章。








岸さんがくれるメッセージはいつも中身がなくて、返信にとても困ってしまう。


この調子だと、1ヶ月ペースで連絡をくれるのだと何気なく思う。
次は来月だろう。







実を言えば、もう少し、多く連絡が来て、

根掘り葉掘り私のことを聞かれるのかと思っていたから

思ったよりもかなり少ない連絡に、ちょっと驚いていた。




これからも会いたい、とか
いっぱい知りたい、とか


真剣な眼差しで言われたから、きっとそういうことだろうと思っていたけど。





あれだけしつこかった割には
意外とあっさりしているんだな〜って
ただそう思っただけ。

また会えればな、なんて少しでも思ってしまった自分が少し恥ずかしいだけ。








「もっと積極的な人かと思ったけど。意外と奥手？」




『どうだろ。どういう人だか全然知らないし』





彼が好きなわけではないから、連絡が来ようが来なかろうが、

私にはどうすることもできない。

というか、どうにかすることもない。



それを翠に言うと、冷たい、と吐き捨てられてしまうけど

岸さんに初めて会ったときや真剣に話してくれたときに感じた高揚感だって、会わない今はなんとも思えない。




ただ、連絡が来るたび

学生のときとかに、異性と連絡を取るときに感じる
そわそわするような、それに似たような感覚はあった。

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