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部屋の中に入ると、見知った顔と見知らぬ顔の割合が8:2くらいだった。
出演者リストを見てわかっていたけど、少し安心。
ほっとするのもつかの間。
視界に映った金色が、まさに猪突猛進!のようにこちらに近づいてくる。
それを追いかける足音ひとつ。
「雨ちゃああああん!!」
「96ちゃあああああん!!」
手を広げてタックルという名のハグを求めてきたので、持ちうる限りの反応速度で応ずる。
ぐふ、流石にちょっと痛い……
それでも持ち前の運動神経で立て直した。
「受け止めてくれる雨ちゃそイケメン……とぅんく」
「あー、ハイハイありがと」
棒読みなのは仕方がない。この会話流石にもう慣れた。
後ろでけたけたと笑う真冬の声と、どたばたという足音。
顔を上げると、こちらも見知った顔。
「ちょっ、よく今の耐えきれたね!?」
「こんにちはナチュラルサイコパスさん」
そう、96ちゃんを追いかけてきたナチュラルサイコパス(天月)
「ひどっ!!こんにちはリア充ども!!」
「ハイハイ、こんちわー」
「やあやあ。天月くんよぉ〜どうせバレるけど大声で言うなよ〜」
ちらっと斜めを見ると、やっぱり、と少しの驚きという顔をした莉犬くん。
「莉犬くん、びっくりした?」
「いや、配信とかで距離感が近いからもしかして……とは思ってたんですけどそうだったんですね!」
「へへ、リスナーさん達には内緒ね!」
「かわいい…!!」
「僕の彼女可愛すぎない!?」
活動上、可愛いと言われることが有難くも多かったりする。
それでもやっぱり慣れずに少し照れた。
まぁリスナーさん達にバラしてもいいんだけどね。
大荒れして周りを巻き込みそうだからなかなか言い出せない。
結婚なんてできるわけがないんだから、今になってはただただリスクが高いだけ。
そう考えると、私が生きているうちには、もう発表することはないだろう。
私が死んでからは真冬がするかもしれないし、分からないからあえて考えないようにしよう。
そこまで自分で考えて自虐的な思考に至った時。
「おそようございます〜」
背後から1番安心出来る、緩い聞き慣れた声。
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野良神 - 凄いですね。面白いです!更新頑張ってください! (2018年11月6日 18時) (レス) id: d6c3f54fc0 (このIDを非表示/違反報告)
桜瀬さわ@“自称”大天使さわさァん(プロフ) - あいらさん» ありがとうございます;;最近更新疎かになってるのにコメント貰えてとてもびっくりしてます!(一時期消すことも考えてました)その言葉でもうちょっと頑張る気が起きました!諸事情で次回の更新まで時間がかかるかもしれませんが続編に向かい頑張ります。 (2018年9月10日 19時) (レス) id: c9f142c710 (このIDを非表示/違反報告)
あいら - 初コメ失礼致します! 僕シリアス大好きでして…この作品大好きです!描写もとても好きです これからも頑張ってください! (2018年9月10日 13時) (レス) id: 556c8a168b (このIDを非表示/違反報告)
桜瀬さわ@“自称”大天使さわさァん(プロフ) - りょうかさん» この作品、描写に力をいれてるのでとてもとても嬉しいです!ありがとうございます! (2018年1月8日 10時) (レス) id: c9f142c710 (このIDを非表示/違反報告)
りょうか - すごく描写がきれいに書けていて、すごいなと思いました!更新頑張ってください! (2018年1月7日 6時) (レス) id: a812e7560b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:桜瀬さわ | 作成日時:2017年9月9日 9時